
沖縄観光を支えたいと、清掃会社を立ち上げ奮闘している女性がいる。清掃代行会社「Rs CLEAN(アールズクリーン)」の下地れもん代表(27)だ。新型コロナウイルスの感染拡大で仕事が激減するなどの苦労もあったが、丁寧な仕事や働きぶりが評判で広がり、契約件数は拡大。スタッフの雇用は5人と小規模ながら、1棟貸しの民泊施設やコンドミニアムタイプのホテルなど14施設と契約する。23歳で事業を始めた下地代表は「若い人にいろんなことに挑戦してほしい」と話す。(政経部・川野百合子)
■丁寧な仕事ぶり好評
2019年に事業を立ち上げた。観光客数の増加を背景に民泊施設も増えたことから、事業の可能性を見いだした。飛び込み営業で契約数を伸ばしていたが、コロナ禍で5月には仕事がない状況となった。
宿泊施設の稼働がない中、不動産業者が管理する駐車場の清掃やコロナワクチン接種会場の清掃、中学校や高校など学校施設の定期清掃、店舗引き渡し前の清掃などを下請けとして受け、地道に実績を積んだ。
こうした地道な活動と丁寧な仕事ぶりが評価され、不動産会社や民泊のオーナー同士の口コミ、紹介で依頼が増加。現在は30部屋あるホテルや1棟貸しの民泊施設の14施設と契約する。また、来月以降も新規契約先が控えており、業績はさらに伸びる見通しという。
■業容拡大にも挑戦
「きつい・汚い・危険」の3Kとされる清掃業界。また、民泊施設の清掃は繁忙期と閑散期の稼働に差が大きいため、収益の平準化や働き手確保が難しい。そのため、店舗の清掃や壁紙張り替え、個人宅のエアコン掃除、民泊サイトやホームページ掲載用の写真撮影など、派生する事業にも乗り出している。
下地代表は「多くの物件を見ている経験を生かし、将来は自社物件で、飲食店や美容などの業容拡大にも挑戦したい」と話した。