韓国紙「日韓通貨スワップ復活の可能性」「市場安定効果あるが、すぐには不要」

日韓首脳が12ぶりに首脳会談を行ったなか、両首脳が金融・外為分野でも協力することを決めたことから、8年ぶりに両国間の通貨スワップが復活するか注目される。

(参考記事:米有力銀が警告「韓国金融市場から資金流出の可能性」「不確実性高い」

韓国の金融情報サイト「聯合インフォマックス」は17日、この問題を取り上げ「世界的な不確実性が高い時期にだけに、日韓通貨スワップが成立すれば、国内金融・外為市場に役立つことが期待される」と伝えた。

当該記事原文URL:https://www.yna.co.kr/view/AKR20230316166700073?section=international/japan

韓国の尹錫悦大統領は16日「韓日両国が豊かな未来を準備するため、経済安保だけでなく、金融・外為分野でも一緒に考え合うことになった」と明らかにした。韓日関係を早急に回復・発展させるためには同じ意志を共有する必要があると述べ、安保、経済、文化など多様な分野の協力促進についての議論を加速することになったと述べた。

尹大統領の発言について聯合は「金融・為替分野の協力といえば日韓通貨スワップを想起させる」とし、2015年2月に終了した日韓通話スワップの復活の動きがあり得ることを指摘した。

日韓通貨スワップは、2001年7月に200億ドル規模で締結されて以降、途中規模が拡大しながら更新され、2011年12月にはスワップ残高が700億ドルレベルに達した。約10年間で35倍に急増した形だ。しかし、2012年8月、当時の李明博大統領の独島(竹島)訪問により、日韓関係が急激に悪化し、わずか2か月で130億ドルにまで縮小した。

聯合は、「日本では通貨スワップは、中央銀行間の取引ではなく、政治的な取引の産物と見なされる」「通貨スワップ業務の主導権も日本の財務省が握っている」とその背景を説明した。

領有権問題や歴史問題による対立が深まるにつれ、2013年の韓日通貨スワップ規模は100億ドルにさらに縮小し、2015年2月に完全に終了した経緯がある。

聯合は「今回の首脳会談を機に、両国は水面下で通貨スワップの議論を進めるとみられる」としつつ、その効果について「日韓通貨スワップは心理的に韓国の金融・為替市場に安定感を与えると分析される」と期待した。

一方で聯合は「韓国の対外健全性指標自体は依然として堅調で、日韓通貨スワップがすぐに必要な状況ではない」とも指摘し、韓国の外貨準備高が1月末の時点で世界9位のレベルにあることを強調した。政府関係者や研究者はプラスの効果があると聯合の取材に述べている。

韓国銀行によると昨年末基準で韓国の外貨保有額は約4、231億ドル(約55.6兆円)となっている。一方、日本財務省によると日本の昨年末基準の外貨保有高は1兆2275億ドル(約160兆円/世界2位)となっており、およそ韓国の3倍となっている。日本円とウォンの国際信用度については、一般的には日本円の方が高いとされている。

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