小さな体で沖縄→奄美190キロを…絶滅危惧種アマミヤマシギの渡り初確認

発信器を装着したアマミヤマシギ=1月9日、沖縄県国頭村(日本鳥類保護連盟提供)

 絶滅危惧種アマミヤマシギが、沖縄本島北部から鹿児島県の奄美大島までの約190キロを渡っているのを初確認したと日本鳥類保護連盟とNPO法人奄美野鳥の会が明らかにした。研究者は「保全策を考える上で貴重なデータ」と話している。

 2021年から3年計画で、奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖縄本島北部の計11羽に発信器を装着。今年1月、沖縄本島北部で取り付けた3羽のうち、データを受信できた国頭村の1羽が2月15日に同村で確認された後、2月25日までに奄美市住用に移動した。

 奄美群島で繁殖し沖縄本島北部で冬に少数が見られるが、渡りの有無は分かっていなかった。体長は約35センチ。

 今後、各島でDNAを採取し遺伝的な関係を調べる。日本鳥類保護連盟の藤井幹(たかし)調査研究室長(53)は「奄美の個体の一部が沖縄に渡っていると考えられる。DNA調査を基に、どの島の個体群を重点的に保護すべきか検討に役立てたい」と話した。

(資料写真)2羽で寄り添うアマミヤマシギ=徳之島

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