<レスリング>古豪のフィンランドが2階級で優勝…2023年U23欧州選手権(男子グレコローマン)

▲北欧決戦を制して優勝した82kg級のジョニー・サルキネン(フィンランド)=UWWサイトより

 

 2023年U23欧州選手権の男子グレコローマンは3月13~15日にルーマニア・ブカレストで行われ、フィンランドが2階級で優勝した。男子でのフィンランドの優勝は、2019年以来2、3人目。

 優勝したのは、63kg級のティノ・オジャラと82kg級のジョニー・サルキネン。オジャラはこれまで主要タイトルの獲得はなかったが、決勝では昨年の王者でU23世界選手権2位のギオルギ・ショターゼ(ジョージア)を破った。2022年にU20欧州選手権で2位の実績があるサルキネンは、昨年のU23世界王者のエカウス・ムクブ(ノルウェー)を破っての優勝だった。

 フィンランドは、戦前の強国のひとつで、オリンピックではのべ21人(グレコローマン14人、フリースタイル7人)のチャンピオンを輩出。世界選手権(戦前はグレコローマンのみ)でものべ9人のチャンピオンが生まれている。

 しかし、オリンピックでは1984年ロサンゼルス大会を最後にチャンピオンは生まれておらず、メダリストは2004年が最後。世界選手権では、1998年に女子(ペトラ・オッリ)が世界一に輝いたが、男子では1997年が最後の世界王者誕生。メダル獲得選手は4人で2011年が最後。復活が待たれる古豪国だ。

 他にアゼルバイジャンが3階級で優勝し、ジョージア、モルドバ、ルーマニア、ハンガリー、ウクライナが1階級ずつ優勝。77kg級優勝のアレクサンドリン・グツ(モルドバ)は前年の王者を破っての優勝。昨年のU23世界選手権2位で、今年は世界レスリング連盟(UWW)の2度のランキング大会で2位と3位に入るなど力をつけており、シニアの世界でも台頭しそう。

 67kg級はディエゴ・チヒクバーゼ(ジョージア)が2連覇を達成。72kg級は昨年のU20&U23世界王者のグルバン・グルバノフ(アゼルバイジャン)が勝った。

 国別対抗得点は、チャンピオンはいなかったが、6階級でメダルを取ったトルコが127点で優勝。2位がウクライナ(126点)、3位がジョージア(125点)、4位がアゼルバイジャン(123点)と大激戦だった。

 各階級の決勝は下記の通り。


男子グレコローマン決勝成績

【55kg級】
Denis MIHAI(ルーマニア)○[7-3]●Karapet MANVELYAN(アルメニア)

【60kg級】
Elmir ALIYEV(アゼルバイジャン)○[5-3]●Melkamu FETENE(イスラエル)

【63kg級】
Tino OJALA(フィンランド)○[5-4]●Giorgi SHOTADZE(ジョージア)

【67kg級】
Diego CHKHIKVADZE(ジョージア)○[2-1]●Mustafa YILDIRIM(トルコ)

【72kg級】
Gurban GURBANOV(アゼルバイジャン)○[Tフォール、8-0]●Irfan MIRZOIEV(ウクライナ)

【77kg級】
Alexandrin GUTU(モルドバ)○[6-3]●Khasay HASANLI(アゼルバイジャン)

【82kg級】
Jonni SARKKINEN(フィンランド)○[6-0]●Exauce MUKUBU(ノルウェー)

【87kg級】
David LOSONCZI(ハンガリー)○[4-3]●Turpal BISULTANOV(デンマーク)

【97kg級】
Murad AHMADIYEV(アゼルバイジャン)○[フォール、]●Alex SZOKE(ハンガリー)

【130kg級】
Mykhailo VYSHNYVETSKYI(ウクライナ)○[4-1]●Giorgi TSOPURASHVILI(ジョージア)

© 公益財団法人日本レスリング協会