<南風>そつえんするきみへ

 きょうまで、あっというまだったね。いまでもにゅうえんしたときのこと、おぼえているよ。あさはやくにおかあさんとほいくえんにきたきみは、げんかんでないていたよね。1じかんくらいかな、せんせいとはなししてさ、それでもがまんできなくて、かえったこともあったよね。

 でもね、1かげつもたつと、すたすたくらすにはいって「おはよー」なんてあいさつしたときは、せんせいとおかあさんはわらっちゃったよ。それからはともだちもできたし、まいにちわらってすごしてきたね。

 そんなきみのすこしおとなみたいなはなしかたに、さいしょはおどろいたけど、ともだちとのおにごっこで、おおきなこえでにげまわるし、かけっこでまけたときは、ないて「もういっかい!」、なんてむじゃきなせいかくもあるんだよね。

 そんなきみがね、ともだちとけんかしたときに、ことばだけではつたえられなくて、つい、てをだしちゃったことも、せんせいはしっているんだ。「だって…」って、いいにくかったよね。ごめんね。きみのこころのなかではたくさんたくさん、はなししてくれていたんだよね。でもだいじょうぶ、それもしっているから。

 あんなにいやがっていたはっぴょうかいは、ひとりでダンスをおどってさ、ことばじゃなくて、こころやきもちをひょうげんできるようになったんだなって、こころもからだもせいちょうしたんだなって、せんせいはとてもかんどうしたことをおぼえているよ。

 4がつからのこと、しんぱいそうだね。きみならだいじょうぶ。しんぱいなときは、あたらしいともだち、おかあさん、おとうさん、あたらしいせんせいにたくさんはなししてね。

 すこしはなれたところからだけど、いちばんにおうえんしているよ。きみのことがだいすきな、せんせいより。

(玉城伸悟、tetote代表 主任保育士)

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