紀南2農家から優秀賞 熊野牛の母牛品評会

第4回県種牛共進会で、審査を受ける雌牛(17日、和歌山県田辺市秋津町で)

 和歌山県産黒毛和牛「熊野牛」の母牛品評会「県種牛共進会」が17日、田辺市秋津町の県熊野牛子牛市場であり、県内の畜産農家から出品された14頭が審査された。紀南の2農家が飼う母牛が優秀賞に選ばれた。

 紀北と紀南の和牛改良組合が主催。繁殖用雌牛を育てている8市町の畜産農家12戸が、第1区(生後12カ月以上17カ月未満)に7頭、第2区(生後17カ月以上最初の出産まで)に7頭を出品した。

 県畜産試験場長や全国和牛登録協会審査員ら4人が、発育程度や体形の美しさなどを総合的に審査。各区で上位3頭を選び、賞を贈った。

 最優秀賞には、第1区で中川裕行さん(日高川町)の「ゆずき号」、第2区では、昨年10月に鹿児島県であった全国和牛能力共進会で1等賞5席になった中山郷史さん(紀の川市)の「きこ号」が選ばれた。

 紀南関係では、白浜町の尾﨑春己さん(82)の「こすもす号」が第1区優秀賞2席に選ばれ、尾﨑さんは「入賞でほっとした。これからも若い人たちに負けないよう、勉強して頑張りたい」と語った。

 第2区では新宮市の山口昌一さんの「ゆきこ号」が優秀賞2席に選ばれた。山口さんに代わって出席した次女の岡本愛さん(55)は「賞を頂けるとは思っていなかったのでうれしい」と喜んだ。

 優秀賞3席は第1区が楠本哲嗣さん(かつらぎ町)の「じゃず号」、第2区が飼原悠希さん(かつらぎ町)の「みくの号」が選ばれた。

 講評で、審査委員長の豊吉正成県畜産試験場長(56)は「餌代が高くなり、牛を育てるのが難しい中、手入れがしっかりして良い牛が出てきたと感じた。(県種牛)共進会では実際に見比べたりして、自分の牛がどういうレベルにいるか知ることができる。これからも多くの人に参加してほしい」と話した。

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