85歳現役の東海林さだおさん、抱腹絶倒の最新エッセイ『老いてなおケシカランことばかり』で伝えたかったこと

85歳で今も現役の漫画家・エッセイストの東海林(しょうじ)さだおさん。
今年に入ってからリリースしたエッセイ集の評判が上々です。

「久しぶりにおなかを抱えて大笑いした」というレビューも見かけます。

シニア世代の東海林さんがユーモアたっぷりに語った「老い」や「死」「好奇心」とはいかにー。

85歳ショージ君の「老い、死、好奇心」とは

このエッセイ集は、大和書房が今年1月に発刊した『ショージ君、85歳。老いてなお、ケシカランことばかり』。
「アサッテ君」や「丸かじりシリーズ」「ショージ君」等の連載漫画で知られる東海林さだおさんの最新刊です。

年を重ね、ちょっと不便で情けないけど、それでもとにかく気楽で楽しく、好奇心のつきない自身の老いの暮らしについて綴っています。

デビューから55年。85歳になってもなお、日本の漫画・エッセイ界を引っ張り続ける東海林さんが、年齢による肉体の衰えや、逆に衰えることのない好奇心とユーモア、そして変わっていく死生観などについて、思う存分に語りつくす。

そんな東海林さんの考える「老い」「死」「好奇心」とは一体何でしょうか?

次のように、本書はユーモアにあふれるエッセイ集です(要約のうえ一部を紹介)。

年を取ると腹の立つことばかり

年を取ると人間怒りっぽくなるという。
”怒る”ということは結果、誰か人間を”叱る”こと。

しかし、東海林さんが叱るのは風呂上りにはく自身の”パンツ”。
片足ずつパンツに足を入れる時、バランスをとることが難しく、素っ裸でつんのめってしまい、腹が立つ。

パンツがいけない。
パンツのせいでこうなった。
パンツを叱りつけたい。

パンツを睨みつけるのだが適切な言葉が思い浮かばない。
「責任者呼べ!」と叫ぶメイワク老人を横目に、我々もまた、つまづいた石に、パンツをはくにもよろめく体に、腹を立ててはいないだろうか。

人間、パンツまで叱ると、もうこわいものはなくなってくる。
この世に叱れないものなどない、と思うようになる。

「インタビュー・85歳のヨタ話」も収録

【本書の目次】

<以下、主な目次>
❑見るもの聞くもの、腹の立つことばかり
❑水分を小まめに
❑懐かしきかな”昭和の音”
❑相田みつを大研究~名言を量産したっていいじゃないか、書けるんだもの
❑頭のふりかけ購入記~薄毛はモウこわくない
❑遠ざかる青春~懐かしき早稲田の街を歩いてみれば
❑明るい自殺
❑ああ疎開
❑昭和の蠅(はえ)を懐かしむ
❑寂しいのはお好き?~定年後、世捨て人のすすめ
❑インタビュー・85歳のヨタ話

「アサッテ君」で日本漫画家協会大賞

【著者略歴】東海林(しょうじ)さだお
1937年、東京都生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田文学露文科中退。
70年『タンマ君』『新漫画文学全集』で文藝春秋漫画賞、97年菊池寛賞受賞。
2000年紫綬褒章受章。01年『アサッテ君』で日本漫画家協会賞大賞受賞。11年旭日小綬章受章。

【書籍データ】
⑴書名:ショージ君、85歳。老いてなお、ケシカランことばかり
⑵著者:東海林 さだお
⑶発売:2023年1月12日
⑷判型:四六変型判〈224頁〉
⑸定価:1540円(税込)
⑹発行:㈱大和書房

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この記事と画像の出典:㈱大和書房 公式サイト、Amazon

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