茨城・ひたちなか「世界大会」 干し芋産地一堂に 料理研究家の対談も

タンザニア産の干し芋(手前)を見定める来場者=ひたちなか市阿字ケ浦町

茨城県が日本一の生産量を誇る干し芋の未来を考える「世界ほしいも大会inひたちなか」が18日、同県ひたちなか市阿字ケ浦町の阿字ケ浦ふれあい交流館であり、県内外から訪れた多くの来場者は、料理研究家らの対談や国内外産の干し芋販売など、多彩な催しで干し芋の魅力を堪能した。

大会は2016年以来、2回目で、同市と同県の那珂市、東海村の生産者らでつくる一般社団法人「ほしいも学校」が主催した。当初は20年に開かれる予定だったが、コロナ禍のために延期されていた。

会場では、料理研究家の土井善晴さんと同学校の佐藤卓プロジェクトリーダーが対談。芋を天日でなく乾燥機で干す傾向にある現状について、土井さんは「効率化も必要だが、伝統的な天日干しでしか生まれないうまさもある」と指摘し、両方をうまく活用する大切さを訴えた。また近年、干し芋の品種は紅はるかが主流になっていることに触れ、「個人的には昔からある玉豊の方がおいしい」と笑いを誘った。

干し芋販売では茨城県産のほか京都府や鹿児島県、タンザニア産など国内外の商品が並んだ。来場者は作り方や味の違いを聞きながら、商品を手に取って選んでいた。栃木県矢板市の主婦、大島民枝さんは「国内外でいろいろな種類の干し芋があることに驚き。本場茨城産の味を楽しみたい」と笑顔で話した。

紅はるかの開発者の講演や日本、韓国、中国、タンザニアの生産者による報告会も開かれた。同学校の小池勝利代表理事は「ひたちなかから、干し芋の魅力が多くの人に伝われば」と期待した。

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