舞台『鋼の錬金術師』東京公演上演中 エドとアルの長い旅路、前へ進め

舞台『鋼の錬金術師』、大阪・新歌舞伎座での公演が無事に終わり、17日より東京の日本青年館ホールにて好評上演中だ。
さらにDMM TVにて3月26日(日)17:00 東京大千秋楽 公演のライブ配信・アーカイブ配信が行われる。舞台化は単行本で1〜6巻まで。
メインキャラクターはエドワード(一色洋平 / 廣野凌大)アルフォンス(眞嶋秀斗)。大好きな母親が病気で突然他界した。大きな喪失感、幼き兄弟は錬金術による再生を試みようとするが、これは「この世の理(ことわり)」を越える禁忌。だが、うまくいくはずもなく、それどころか大変なことになってしまう。エドワードは自分の左足を、そしてたった一人の肉親の弟を失ってしまう。この愛する弟をこの世に呼び戻すべく、自分の右腕を代価とし、弟の魂を錬成し、鎧に定着させる。ここのシーンは圧巻で表現がマンパワー。そしてこの兄弟は全てを取り戻すために長い旅に出る、というのが大体の流れ。

旅の途中で様々な人物に出会う。『焔の錬金術師』ロイ・マスタング大佐(蒼木 陣 / 和田琢磨)や『綴命(ていめい)の錬金術師』タッカー(大石継太)と、その娘ニーナ(小川向日葵/尻引結馨)など、個性的な面々との出会い。そして禁忌を犯すこと、それは何を意味するのか、宿敵『傷の男(スカー)』に遭遇、ラスト、グラトニーらの暗躍など原作を知っていれば、展開はわかるが、この舞台版、「ハガレン」の世界をリアルに舞台上に!映像演出、人力とハイテクの融合、アクションシーン、これは、もう迫力。特にパネルに映し出された映像が、バーンと一気に、パネルごと!パネルは人間が動かしているので、このタイミングが絶妙で、立体的な表現に。

一色洋平のエドワードで観劇、その身体能力を駆使した動き。アクションシーンのみならず、ジャンプする場面など、コミックで描かれているエドがそこにいる感。また、ドラマ性、過去の紛争を調べていたマース・ヒューズ中佐(岡本悠紀)が気づき、ロイ・マスタング大佐に伝えようとするも…その顛末が哀しい。

コミカルなシーンもあり、クスッと笑えたり。エピソードをあまりはしょることなく、心に刺さるセリフを散りばめ、2幕ものにして丁寧に一つ一つのエピソードを描いている。そして特筆すべきは、アル!声は眞嶋秀斗、だが、眞嶋秀斗が鎧を着ているのではなく、桜田航成が着ているのだが、桜田航成の動きと眞嶋秀斗の声が常にピタリと!

日本には海外にもよく知られている伝統芸能・文楽があるが、人形遣いと義太夫、人形遣いの動きに合わせての、義太夫、これもまさにそれと同じ手法で、日本らしい表現。息を合わせるのは難しかったと思うが、これが完璧。稽古の成果を見せつけてくれる。それともう一つ、音楽、生演奏、「かっこいい」の一言に尽きる。音楽だけ聴いていても成立するくらいの楽曲。この演奏にも注目したい。最後に”to be continued”の文字、エドとアルの旅路、まだまだ続いていく。

<インタビュー記事>

概要
日程・会場:
大阪
2023年3月8日〜3月12日 新歌舞伎座
東京
3月17日〜3月26日 日本青年館ホール
原作:荒川弘 (掲載「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
脚本・演出:石丸さち子
音楽監督:森大輔
作詞:石丸さち子
作曲:森大輔
出演:
エドワード・エルリック:一色洋平 / 廣野凌大 (Wキャスト) アルフォンス・エルリック:眞嶋秀斗 ウィンリィ・ロックベル:岡部 麟 ロイ・マスタング:蒼木 陣 / 和田琢磨 (Wキャスト) リザ・ホークアイ役:佃井皆美 アレックス・ルイ・アームストロング:吉田メタル マース・ヒューズ:岡本悠紀 ジャン・ハボック役:君沢ユウキ デニー・ブロッシュ役:原嶋元久 マリア・ロス役:瑞生桜子 ティム・マルコニー役:阿部裕 ショウ・タッカー役:大石継太 イズミ・カーティス役:小野妃香里 ラスト役:沙央くらま エンヴィー役:平松來馬 グラトニー役:草野大成 傷の男(スカー)役:星智也 ゾルフ・J・キンプリー役:鈴木勝吾 ビナコ・ロックベル役:久下恵美 グレイシア・ヒューズ役:斉藤瑞季 ニーナ・タッカー役:小川向日葵/尻引結馨(Wキャスト)
キング・ブラッドレイ:辰巳琢郎 他
アルフォンス・エルリック:桜田航成 (スーツアクター) ほか
※Wキャストは五十音順
協賛:DMM.com
主催:舞台『鋼の錬金術師』製作委員会
公式サイト:https://stage-hagaren.jp/

©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会

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