3月退任 九文高バレー部・井上監督「必然で奇跡起き 夢かなう」

「必然で奇跡は起こり、夢がかなう」と生徒たちにメッセージを送る井上監督=九州文化学園高

 今月末で退任し、新天地で指導を続ける九州文化学園高女子バレーボール部の井上博明監督が18日、佐世保市の同校で終業式の後に講話し、生徒や教職員に「偶然では奇跡も起きない。必然をもって奇跡が起き、夢がかなう」とメッセージを送った。
 1980年からバレー部を率い、無名のチームを日本一15度の強豪校へと育てた。この日は穏やかな表情で演台に登壇。「赴任時、生徒は下を向いて校歌を歌っていた。バレーを通してみんなに胸を張ってもらう、九文に来てよかったと思って卒業してもらえないと、俺は罪深い人間になる」と指導者、教育者としての信念を語った。
 当初はストレスでじんましんや円形脱毛症にもなったが、次第に周囲の理解、協力で選手が集まるようになったエピソードを紹介。「目標達成のために努力が継続できるか。それを根性という」と強調した。
 九文での43年間にわたる挑戦を「思春期はいろんな考え、気持ちがある。目標達成の場面の中で、どんな視点、感覚を持って行動するか。うそ、言い訳があってはいけない。基礎にあるのは感謝と思いやり」と振り返った。最後は「頂点に立つには目に見えない感覚、感性が大事。心のバレーを進化させる。次の学校でも頑張ります」と締めくくった。
 井上監督は4月から、西彼杵高女子バレーボール部を外部監督として指導する。


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