継続は力なり

 物事を続けることの大切さを表した言葉「継続は力なり」。これを体現しているトップ指導者が県内にいる。今や日本の長距離界をリードする存在になった三菱重工マラソン部の黒木純監督(51)▲今月上旬の東京マラソン。三菱重工はまた一人、ニューヒーローを輩出した。25歳の山下一貴選手が日本歴代3位となる2時間5分51秒をマーク。来夏のパリ五輪代表候補に名乗りを上げた▲元日のニューイヤー駅伝も結果を出し続けている。ほぼ県内出身者で編成したチームは今年も終盤まで首位争いを展開。3年連続入賞となる4位でゴールした▲では、なぜこんなに強いのか。ストレートに聞くと、黒木監督は苦笑いしながらこう返してきた。「長くやらせてもらっているからです。いろいろあったし。チームづくりは時間がいりますよ」▲確かに彼にも不遇の時代はあった。2003年の監督就任以降、2年続けてニューイヤー出場を逃した時は「すべて私の責任」と泣いた。周囲から「辞めろ」という声も聞こえた。それを乗り越え、20年間ぶれずに指導を続け、常に日本一を狙えるチームをつくりあげた▲そんな名将には夢がある。教え子の五輪出場とニューイヤー優勝だ。「やってきたことを全部ぶつける」という来季。継続の集大成を楽しみに待ちたい。(城)

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