ヒット商品の裏側学ぶ 中学生が「マーケティング」の特別授業

東京都内の中学生が市場調査会社でマーケティングを学ぶ特別授業が行われました。教科書では学べない社会の仕組みに触れ、生徒からは質問が止まりませんでした。

調査会社のインテージが開いた特別授業を受けたのは、中央区にある中高一貫校・開智日本橋学園の中学3年生の生徒たちです。事前に答えた「好きなお菓子」のアンケート結果を基に、お菓子メーカーがどんな商品を売り出せばヒットするのか、調査会社の社員と一緒に考えていきます。生徒の中には「食べやすくて手が汚れにくい、いいとこ取りの商品がみんないいんだなと思った」などといった意見も出ました。

また、授業では世の中にあふれる「売り上げナンバーワン」が何を根拠に表示しているかなど身近な事例を元に、市場調査がどのように社会で利用されているかを学んでいきました。生徒たちからは「アンケートのこつって何かありますか」「1つの調査にどれぐらいのお金が動いているのですか」「数字にうそをつかれたことってありますか」など、次から次へと質問が止まりません。

そして、社内にある消費者の行動を分析するためのモニタールームを見学すると、360度カメラが付いたテーブルに生徒たちは興味津々です。講師から「商品棚のどこに置いておくと目線が行って手に取りやすいのかなど、棚の陳列は大事。そういったテストをするための棚も置いている」などと説明しました。

今回の特別授業は普段何気なく接している情報がどう生み出されているのか考えるきっかけとなったようです。生徒からは「商品ナンバーワンとか書いてあることに関して、何を基にナンバーワンと言っているのかあまり考えたことがなかったので、それを実際にやっている企業から直接聞けたのはすごくいい経験になった」「学校の『情報』授業では具体的な情報の分析の仕方などだったが、この会社で聞けたことは全体的な仕組み、分析した情報をどう使うかまで考えられていたのでよかった」などと話しました。講師を務めたインテージの塩野谷豊さんはインターネットで情報が氾濫する今こそ、若い頃から「真実を見抜く力」を身に付けてほしいして「『数字』はいろいろな人に理解してもらえる共通言語だと思うが、見せ方はいろいろある。自分が正しいと思う、信頼できるということを気を付けて見てほしいと思う」と話しています。

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