地域と歩んだ55年…「へき地保育所」閉所式 長崎・平戸市野子町

出席者の前で保育所への感謝の言葉を述べる卒園児代表の小学6年生=平戸市野子町へき地保育所

 平戸市野子町へき地保育所(所長・宮本照芳同市社会福祉協議会長)の閉所式が18日あり、地域に支えられた55年の歴史を終えた。
 1967年、公民館を最初の拠点として改修し、同保育所の事業を開始。改修費用の一部は、設置を求めた地元住民が負担した。現園舎は2002年に完成。記録が残る73年度からの卒園児は503人。事業開始当初から同社協に運営を委託している。
 近年、人口減少や国による民間認可保育園などの保育料無償化政策などから入所児が減少。本年度は在籍児がおらず、休園していた。
 式には住民代表、卒園児、元保育士ら約25人が出席した。黒田成彦市長は「地域にとって保育所がなくなることは寂しいことと思う。今後も子どもたちを温かく、時に厳しく見守ってほしい」とあいさつ。卒園児を代表して市立野子小6年の柴山愛海さん(11)と吉田珠莉絆さん(12)が声を合わせ「保育所でのたくさんの楽しかった思い出を、これからも大切にしていきます」と感謝の言葉を述べた。
 最後に尾崎利美・市福祉事務所長が「31日で、長く心豊かな子どもたちを育んだ保育所を閉所する」と宣言。参加者は園舎内を写真に収めたり、思い出を語り合ったりして、別れを惜しんだ。

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