野母崎・樺島灯台 光源や天草灘を見学 電動自転車で活性化を

灯台の内部を見学し手を振る参加者ら=長崎市野母崎樺島町、樺島灯台

 長崎市の最南端にある樺島灯台(同市野母崎樺島町)を生かして地域を活性化しようと、電動自転車で周辺地域や灯台を巡る実証実験が12日、同市野母崎地区であった。参加者7人は海や砂浜といった野母崎の景色を楽しみ、5年ぶりに一般公開された灯台の内部を見学した。
 日本財団が展開する「海と灯台プロジェクト」のモデル事業の一つ。野母崎地区の住民らでつくる「灯台文化的価値探求プロジェクトin長崎県実行委員会」が主催した。
 7人は午前10時半に同市野母町の「長崎のもざき恐竜パーク」を出発。地元住民の説明を聞きながら脇岬海水浴場、樺島大橋などの名所を電動自転車で巡り、約2時間かけて灯台に到着した。長崎海上保安部職員の案内で、1932年に点灯した灯台内部のらせん階段や光源を見学し、眼下に広がる天草灘を眺めた。
 参加した長崎市寄合町の会社員、竹馬英一さん(54)は「路地裏など自転車ならではの景色が見られ、灯台へ向かう坂道も電動なので楽でよかった。灯台の仕組みも初めて分かった。歩くより行動範囲が広がるので、自転車で『さるく』のもいいのでは」と話した。
 実行委は「樺島自体が長崎半島の入り口で灯台の役割を果たしてきたという歴史を知ってほしい。今回の企画を基に新たな活用法を考えていきたい」としている。

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