
ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が18日に、侵攻したウクライナ東部ドネツク州の南部マリウポリに入ったと発表した。昨年2月の侵攻開始以来、プーチン氏が制圧地域に入ったのは初めて。
プーチン氏はドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)のロシア系住民保護を侵攻理由に掲げており、初のドンバス訪問で実効支配を誇示した。侵攻を非難する欧米の反発は必至だ。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「犯罪者は必ず犯罪現場に戻ってくる。数千の家族を殺害した責任者が廃虚や集団墓地を視察に来た」とツイッターで皮肉った。
プーチン氏には、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)が17日、ウクライナからの子ども連れ去りに関与した疑いがあるとして戦争犯罪の容疑で逮捕状を出した。プーチン政権は軍事作戦が続くドネツク州への大統領自身の訪問を直後に公開することで、欧米などの批判を意に介さない姿勢を示した。
プーチン氏は18日、クリミア半島のセバストポリを予告なしに訪問後、マリウポリへ向かった。

