U2のボノとジ・エッジが最新作『Songs Of Surrender』について語る

U2 - Photo: Courtesy of Apple Music

U2のボノ(Bono)とジ・エッジ(The Edge)が、Apple Musicのゼイン・ロウと共に、名盤『The Joshua Tree』が生まれたジョシュア・ツリー国立公園を訪れ、2023年3月17日に発売された、バンド40年以上のキャリアを通して発表された名曲・代表曲を新たな解釈・アレンジで新録音したベストソング集『Songs Of Surrender』について語った。

このロング・インタビューの中で、ボノとジ・エッジは、ニュー・アルバム『Songs Of Surrender』の制作のきっかけ、バンドの長年にわたるキャリアとレガシー、ボノのグループへの揺るぎない献身、そしてソングライター、人道支援活動家として自身のアイデンティティーについて掘り下げている。

アルバム『Songs Of Surrender』について、ジ・エッジは次のように語っている。

「このプロジェクトでは、僕らの歌こそがボスであり、最後までそれは変わらなかった。その歌たちが我々に何をすべきかを教えてくれたんだ。コロナ禍のロックダウン中に、成り行き任せにできたことも大きかったと思う。我々は、突如として何のプレッシャーも期待もなく、ただ音楽を作るための空間と時間を手に入れた。そして、以前から温めていたアイデアなんだけど、長年やってきた曲を、もっと削ぎ落とした形で録音してみようと思ったんだ」

「我々のライヴでは、“Every Breaking Wave”をピアノで演奏したり、“Staring at the Sun”をアコースティック・ギターとヴォーカルだけでやったりするんだけど、その手法が我々をどこに連れて行くのかを知るのに、これは絶好の機会だったんだ。同時に、気に入らなければリリースしなければいいんだっていう気楽さもあった。とにかくやってみて、どんなものができるのか知りたかったんだ。だからこそその過程を心から楽しむことができた。本当にすごく楽しかったよ」

ボノは、こう付け加えた。

「これは、虚栄プロジェクトにもなり得るし、リベンジ・マッチでもある。リベンジ・マッチというのは、自分たちの歌そのものが、これまでに作った最高の曲、自分たちのお気に入りの曲に見合うものかどうかを証明できるのか、あるいは曖昧にできるのか、腕試しするということなんだ。それこそが(このプロジェクトの)目的だった。それを知りたかったんだ。もちろん恐れはあったよ。それ相応のものになるのかっていうね。よく歌は自分の子供のような存在だと言われるけど、それは違う。歌は親のような存在なんだ。何をすべきか、どんな服装をすべきか、仕事をする時やビデオに出演する時はどうするべきか、何でも教えてくれる。でも、しばらくして、君自身がソングライターとして成功すれば、その曲はより大きな存在になる。そして、その曲は君のものではなく、他の人たちものになるんだ」

「このアルバムの制作のために、我々は、もう一度曲を聴いてみて、まずもって、これらの曲はそれに耐え得るのか?U2のようなロックンロール・バンドの火力に頼らずとも、その形式を崩したとしても耐え得るのものだろうか?ということを考えたんだ。本当にそれが良い曲ならば、その可能性に終わりはない。でも、ロックンロール・バンドには限界があるんだ」

Written By Will Schube

___

U2『Songs Of Surrender』
2023年3月17日発売

© ユニバーサル ミュージック合同会社