天国から地獄、ラッピ「出火したが、なんとか消し止めた」/WRC第3戦メキシコ デイ3後コメント

 3月18日、WRC世界ラリー選手権第3戦『ラリー・メキシコ』の競技3日目は、SS11~19のうちステージキャンセルとなったSS15を除く8SSが行われ、前日2番手につけたセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に浮上した。そんなデイ3を終えた各陣営からドライバーコメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合11番手

「昨日に比べたら素晴らしい一日だった。技術的にはおおむねトラブもなく、かなり楽しくなってきたけれど、まだ足りていない」

「速く走るための方法を見つけるのに苦労している。これは僕にとっては少し不自然なことだ。少なくとも昨日より僕たちは少し近づいた」

「全体的にマシンの挙動がどうなっているのか掴めきれていない。驚かされることがたくさんあるんだ。こういった状況だと自信を持つのが難しいが、今日はいくつか学んだことがある。ここからは良くなるだけだと信じたいものだ」

●ジョルダン・セルデリディス(#9 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合26番手

「“掃除役”をずいぶんとやった。とても滑りやすく、アクセルを踏む前にかなり待たなければならない。このテクニックを充分に使いこなせているか、確かではないよ!」

「ここメキシコは素晴らしいね。こんなファンたちは他では見たことがない」
※いずれもSS10直後の公式インタビューより

ジョルダン・セルデリディス(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合3番手

「昨日と同じスピードでドライビングを続けたが、午後は少し攻めてエルフィン(・エバンス)とのギャップを縮めようとした。それがかなりうまくいったんだ。午前中は3つのステージで優勝し、総合3番手に浮上した」

「EP(エサペッカ・ラッピ)とヤンネ(・フェルム/コドライバー)が最初のステージでリタイアしてしまったのは残念だ。彼らはあそこで素晴らしい仕事をしていたのに……」

「(競技3日目は)出走順のおかげでより速さを出せる可能性があることはわかっていたが、もちろんエルフィンもスピードアップしていた。彼もいい走りをしていたからギャップは小さいままだった」

「最終ステージでは、残念なことに1.5kmを過ぎたところでパンクしてしまい、1.5秒から2秒を失ってしまった。それがなければ(彼との)ギャップは3秒未満になっただろう。それでも小さな差だから、最終日にプッシュしていくよ。僕たちは週末の間ずっと力を尽くしてきて、今では2番手争いにしっかり食いついている」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/リタイア

「よく言われるように、慎重に安全に走ると状況はいっそう難しくなる。今朝のオープニングステージで起きたことはまさにそれだと思う。僕はアタックしていなかったし、とくに激しくプッシュもしていなかった」

「左コーナーへのエントリーを前にしてショートカットしていく長い右コーナーがある。僕たちがクラッシュしたところだ。ショートカットの途中で少し足を取られた感じがして、すぐにエントリーできなかったんだ。40cmほどエイペックスを外してしまい、30cmほどワイドになって(コース右手の)土手に接触した。それだけなら大丈夫だったけど、僕たちはスピンして(コース左手にあった)電柱に当たってしまったんだ」

「車内で出火したが、なんとか消し止めた。もちろんがっかりしているよ。昨日のことやスウェーデンでのペースから、ポジティブな要素を取り入れる必要がある。僕たちにはスピードがあった。出せるとわかっている結果には、まだ結びつけることができていないけれどね」

●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合5番手

「今日の僕たちの出走順では、上位のクルーたちのペースについていくのは難しかった。ステージの“掃除役”をすることの影響は大きいよ。残念ながら、早い段階で僕たちはエサペッカのマシンを失った。チームとしては少々状況が厳しくなってしまった。とはいえ、このラリーの道路はドライブするのに素晴らしいと言わずにはいられない」

「とても楽しんでいる。グリップが足りない時はあるけれどね。これは各ステージでクルマが通過するほど改善される傾向にある」

「僕たちはトップ5に入っているから、モチベーションを高めてプッシュしていくよ。最終日も楽しむようにするつもりだ。最大限の力を出し続けるよ」

ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合4番手

「タフな一日だったが、全体的には悪くなかった。いいペースで走ろうと試み、ドライビングも良かったけど、1台走るごとに路面のコンディションが良くなっていったので、簡単ではなかったね」

「また、昨日は路面のルースグラベルを掃き飛ばして走る際、グリップを高めるためにソフトタイヤを多く使った。そのため今朝はハードタイヤを使わなければならず、理想的な状況ではなかった」

「前後のライバルとのタイム差が大きくなると、高いスピードを維持し、集中力を保つことが難しくなる。それでも午後の何本かのステージではいいペースで走ることができた。明日は午前中をクリーンに走り、パワーステージに集中したいと思っている」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合2番手

「今日はいい走りができたし、接戦状態が続いた。もちろんタイム差を縮められるよりも、広げられた方が良かっただろうけど、ティエリーは僕よりもわずかに速く、ほとんどのステージでコンマ数秒差だった」

「クルマのフィーリングはとても良く、自信を持って走ることができている。接戦は明日も続く。すでに走っている区間とそうでない区間が混在しているので、タイヤ選択とクルマのセットアップが難しいけど、今夜はしっかり準備をして2番手の順位を守りきれるようにベストを尽くすよ」

●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合首位

「とても満足できる一日だった。少し差をつけて首位に立てたのは、もちろん素晴らしいことだ。朝、エサペッカとのバトルが終わってしまってからは、少し違ったアプローチで走ったが、結果的に今日もいい一日になった」

「エサペッカとはとてもいい戦いをしていたので残念だし、気の毒に思う。しかし、これはラリーという勝負であり、勝つためには(フルデイの)3日間をまとめなければならない」

「最初のステージの後は、より安全に走ることを心がけました、それでもいくつかのステージでいいタイムを記録しリードを広げることができた。ただクリーンに走っただけだったので、SS16のタイムには自分でも驚いたよ」

「もしかしたら、タイヤマネジメントが功を奏したのかもしれないね。明日はラリー最長のステージもあり依然難しい一日なので、最後まで気を緩めることはできない」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合25番手

「チームのおかげで再出走でき、デイ3を終えました」

「出走順も前になりグリップが低く難しいステージの連続でしたが、いろいろ学ぶことができました。明日は最終日!」
Twitterより

カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ

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