コーレス(こーれす)

「コーレス」の意味

「コーレス」(こーれす)とは、「コール・アンド・レスポンス」の略。さらに略して「コール」と表現する場合もある。
主にアイドルやミュージシャンのコンサートやライブなどにおいて、パフォーマーが観客に言葉を投げかけ、観客がそれに返すこと。
演奏中やトーク中など、シチュエーションは様々。観客の反応(=レス・レスポンス)の内容も多岐にわたり、掛け声、拍手、ポーズ、ダンスなどの代表例がある。

「C&R(=Call &Response)」と略して記載することもある。この場合の読み方は「コールアンドレスポンス」「コーレス」などであり、「シーアール」と発音することはない。

「コーレス」の由来・語源

英語の「Call and Response」から。「call=呼びかけ」&「response=応答」の組み合わせ。

元々はゴスペルやソウルなどのブラックミュージック用語で、メインボーカルとコーラスの歌詞が呼応する「掛け合い」のことだった。ただし、主に楽器間におけるソロ演奏の応酬を「コーレス」と表現することは珍しい。こちらはシンプルな「掛け合い」をはじめとして、「バトル」「チェイス」などと表現するのがメジャーである。

「コーレス」の活用例

「やっぱりライブの醍醐味はコーレスだよね」
「初めて行くコンサートだから、コーレスの予習してる」
「アドリブのコーレスにも即反応できて、ファンはさすがだなと思った」
「声出し解禁になったら全力でコーレスしたい」
「私のライブに来たら、ぜひコーレスを楽しんでください!」

▼コーレスの発祥経緯
グルーブや楽曲におけるコーレスの発祥経緯には、様々なパターンがある。

・コーレスを楽しむために、パフォーマー側があらかじめ仕込むパターン。コンサート前に振り付けや掛け声の指南動画が公開されることも

・偶然発生したやり取りが、パフォーマーと観客の間で定着していくパターン
アイドルやミュージシャンをモチーフにしたアニメ、ゲームなどでは、パフォーマー側がオリジナルのコーレスを開発するエピソードが描かれることもある。また主に女性アイドルのライブ現場では、メンバーの自己紹介にあらかじめコーレスが組み込まれていることも多い。

▼観客が一緒になって歌う場合
コーレスと同じように「パフォーマーと観客が一体になる」パターンとして「シンガロング(=sing along)」がある。
これはパフォーマーと観客が、同じメロディを一緒に歌うこと。あるいはパフォーマーは歌わず、楽曲の一部を観客が歌うことを指す。また、観客歌唱を前提とした楽曲を発表し、それがファンの間で定着しているパターンもある。
コロナ禍で声出しが禁止されているライブでは、ハミングでシンガロングパートを進めるミュージシャンもいた。

▼歓声との区別化
グループや界隈によって異なるが、基本的に「コーレスはあくまで歓声とは別物」という空気感が強い。
「思い思いにパフォーマーの名前を呼ぶ→パフォーマーがそれにお礼を言ったり、手を振ったりする」といった一連の流れは、あくまでファンサービスの一貫であり、「コーレス=ある程度統率が取れた、定番のやり取り」という認識が強めである。

▼コロナ禍のコーレス
コロナ禍において、ライブやコンサート中の声出しが禁止され、必然的にコーレスも難しくなった。パフォーマー側、観客側が工夫を凝らし、様々な代替案を実践している。

・声を拍手に置き換える
・音が鳴るグッズを販売する(鈴やタンバリンなどの楽器類、歓声が録音できるボイスストラップなど)
・表情で表現する(笑顔になって! 眼力で返して! などの声がけをするパフォーマーもいた)

▼実在する有名なコーレスの一例
・『ラブライブ!虹ヶ咲 学園スクールアイドル同好会』のトークパート
上原歩夢「地球のみんな、ただいま~!」
観客「おかえり~!」
上原歩夢「宇宙に届くくらい大きな声を聴かせてください!せーの!」
観客「歩夢~!」
上原歩夢「ありがとうございます! 宇宙一幸せです!」

・嵐の楽曲『五里霧中』
楽曲の一部歌詞を、アイドルとファンが分担して歌うスタイル。
嵐「あきらめないぜ」
観客「We get we get the chance」
嵐「I'll keep running on my way」
観客「We get we get the chance」

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