すごい!毎年1トン超の薬物押収する税関、裏で活躍する「犬」が学校に登場 生徒ら驚き「人にはできない」

麻薬探知犬メルバ号のデモンストレーションが行われた=加須市立加須東中学校

 埼玉県加須市立加須東中学校(中島直哉校長、生徒数370人)で、全校生徒対象の「税関教室」が開かれた。東京税関広報広聴室の中川靖上席監視官(46)ら4人と、麻薬探知犬メルバ号(雌7歳)が来校。麻薬に似せた模擬薬物を嗅覚で探知するメルバ号の能力の高さに生徒らは驚いていた。

 覚醒剤、大麻草、コカインといった不正薬物の密輸から日本を守るのが税関の大きな仕事の一つ。2021年の1年間で全国の税関が押収した不正薬物は1トンを超える。押収量が1トンを超えるのは6年連続という。

 中川さんは「税関は、品物が正しく輸出入されているかどうかを調べたり、輸入品に税金をかけたり、不正薬物や拳銃などが密輸されていないかを調べたり、24時間、目を光らせている。税の仕事と関の仕事が一つになった国の機関なんです」と話した。

 そして、「不正薬物は自分とは関係ない、人ごとだと考えずに、自分の身は自分で守ることが大事。使うと、体も心も壊してしまう怖さがあることを知ってほしい」と強調した。

 麻薬探知犬のデモンストレーションでは、生徒6人が参加。1人に麻薬のにおいがする模擬薬物を持ってもらった。メルバ号が優れた嗅覚で見つけると、お座りして税関職員に教えた。生徒たちは驚きの表情だった。

 同校保健委員長の柴山颯那(そな)さん(14)は「人間にはできない麻薬探知犬の能力はすごいと思った。不正薬物の怖さを感じた。教わったことをしっかり覚えておきたい」などと話していた。

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