米国、乳腺濃度の通知義務化 がん検診、早期発見増へ

高濃度乳房(右)と乳腺が少ない乳房(米政府提供・共同)

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は19日までに、エックス線を使った乳がん検診の実施施設に対し、発症リスクが高まる「高濃度乳房」かどうかを受診者に知らせることを来年9月から義務化すると決めた。米国の女性では肺に次いで死者の多いがんで、早期発見を促進する。

 高濃度乳房は乳腺組織が密な乳房のことで、若い人や、やせた人に多い。マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)では乳腺もがんも白く写るため、乳腺が多いとがんが隠れ、見落とす恐れが高まる。

 2021年6月までに全米50州のうち38州が通知を義務付けたが方法がまちまちで、統一を図った。日本では施設や自治体ごとに方針が異なる。

 乳がん検診の実施施設は受診者に高濃度か否かを伝え、医療機関での相談も勧める。相談では、年齢や家族のがん発生状況などから本人のリスクを判断し、超音波やMRIによる追加検査も含めて対応を検討する想定だ。

 米国では22年に約28万8千人の女性が診断され、約4万3千人が死亡したと推定されている。

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