貴重な"免許維持路線"の誕生に立ち会う。3/25早朝は「キャナルシティ博多前」バス停へ

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載42回目は、福岡市博多区にある「キャナルシティ博多前(はかたまえ)」バス停をご紹介します。

前回の連載記事で、この春の西鉄バスのダイヤ改正を予想していました。
今年は地下鉄七隈線が延伸されるため、その影響によってバス路線に改編がある、と推測していましたが、果たして結果はどうだったか。
▶︎前回記事「東福間」バス停に残された、福岡の公共交通事情の変遷 https://fukuoka-leapup.jp/serial/202303.1209

ダイヤ改正予想の結果

事前の予想通り、キャナルシティラインバスの月内廃止が発表されました。

「すぐ後ろにキャナルシティ」という位置にある、

「キャナルシティ博多前」というわかりやすいバス停は、

「キャナルシティラインバス」だけが経由するバス停だったので、

こんなにたくさんの本数があったのに、廃止になります、、、

と思いきや

お隣の、「テレQ前」バス停を見てみましょう。

こちらが廃止前の時刻表です。
キャナルシティラインバスのほかに、6番と6-1番が停車します。

これまで、キャナルシティラインバスと6・6-1は違う経路でしたが、

ダイヤ改正後の時刻表を見ると、土曜日の朝1本だけ、別枠の6番ができています。土曜日の5時48分。経由地に、キャナルシティ博多、と書かれているのがわかりますか。

キャナルシティ博多前を通るキャナルシティラインバスは廃止になりますが、バス停を廃止にしないために、週に1本だけ経路を変更することにしたのです。都心の一等地ですし、また多数のバスを走らせる日が来るかも、と考えたのでしょう。

ダイヤ改正で生まれる変化を楽しむ

これまで、四箇田団地入口や、吉塚駅構内など、本数が些少なバス停をご紹介してきましたが、またひとつそんなバス停が新しく生まれる瞬間に、いま皆さんは立ち会うことができます。貴重な体験です(当社比)。

※しかも今回の設定では、週に1本のバスがキャナルシティ博多前を通過するのは土曜日の5時50分。日祝日は52週+祝日で52回以上ありますが、土曜日は祝日と被ると祝日扱いになるため、最大でも年に52回。平日/土曜日/日祝日という区分では、土曜日がいちばん少なくなります。時刻も朝の5時台と、乗客を想定せず、路線を維持するためだけの潔い設定です。

改正は2023年3月25日土曜日。キャナルシティラインバスに乗れるのは、前日の24日までです。そして25日には、経路の変わった6番が走ります。両日お時間がありましたら、廃止と新設、その姿を見届けてください。

博多駅前5時45分→キャナルシティ博多前5時50分という早朝に、どうすれば現地へ到達できるのか、という根本的な問題はあるのですが。

基本情報

キャナルシティ博多前(はかたまえ)
・住所:〒812-0038 福岡県福岡市博多区祇園町9[map]
・天神からの行き方一例:
【改正前】「天神大丸前(4) (4Aのりば)」から、普通68番 国体道路 キャナルシティ博多 博多駅ゆき に乗車。約8分、150円

【改正後】土曜日朝5時45分博多駅前Aのりば発の「6キャナルシティ博多前経由 西新方面」に乗車。所要5分、運賃150円。
※「キャナルシティ博多前」というバス停は、国体道路(国道202号線)上にもあり、そちらのバス停にはダイヤ改正後も多数のバスが停車します。徒歩数分で、記事内の「キャナルシティ博多前」にもたどり着けますが、バスで訪れることに意味があります。

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