共同で医療人材育成 新潟大・富山大 養成センター設置 上越市でキックオフ・シンポ

 新潟、富山両大医学部の共同による「北越地域医療人養成センター」がこのほど設置された。18日に上越市中央1のホテルハイマートでキックオフ・シンポジウムが開かれ、関係者や医療職を目指す学生らが出席した。
 地域医療を守る医師の教育拠点構築を目的とする、文部科学省の「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」を活用した取り組み。全国では2月時点で11大(それぞれ連携大あり)が、この事業に選定されている。
 両大は学内に同センターを設置し、それぞれが持つ教育ノウハウを共有、教育コンテンツを集積。高校生の関心を喚起する「入口戦略」、両大医学生を対象とした実践的能力の修得を目指す「教育戦略」、継続的な医療人の育成やキャリア形成支援による「出口戦略」を柱に、地域医療を守る総合的な能力を持った医師を共同で養成する。
 教育戦略では、地域医療構想の重点支援区域である上越地域でフィールドワークを実施する。
◇2氏が基調講演 上越総合病院・篭島病院長、糸魚川総合病院・山岸病院長 
 同日は、事業責任者である富山大の関根道和医学部長が同センターの概要を説明。この後は上越総合病院の篭島充病院長と糸魚川総合病院の山岸文範病院長による基調講演が行われた。
 篭島病院長は、上越医療圏の医師偏在指標が266位(全国335医療圏中)であり、ニーズの多い一般的な病気に対応する総合診療医が専門医と比べて少数であるなどの現状に触れ、出席した若者へ向けて「医療は人や社会につくす仕事。この新しい機会で学び、地域、そして日本を支える医療人として羽ばたいてもらえたら」と呼び掛けた。

上越総合病院の篭島病院長が基調講演
糸魚川総合病院の山岸病院長が基調講演

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