福島県いわき市の温泉施設スパリゾートハワイアンズのファイヤーナイフダンスショーで21日、栃木県宇都宮市出身の河野辺来寿(かわのべらいじゅ)さん(19)がダンサーとしてデビューする。本県出身のダンサーは初めて。両端に火を付けたナイフを回しながら踊る迫力あふれるショーで、本番に向け入念に練習を重ねる。河野辺さんは「見る人に感動と笑顔を届けたい」と意気込んでいる。
ファイヤーナイフダンスは、棒の先端に刃を付けた長さ1メートルほどのナイフに火をともし、音楽に合わせて回したり投げたりしながら踊るショー。同施設によると、炎の温度は約500度にも達する。
南太平洋の島国サモアが発祥とされ、同施設は1972年にショーの一つとして導入。2016年4月にファイヤーナイフダンスチーム「Siva Ola(シバオラ)」を結成した。6人のメンバーごとに固定ファンができるなど、フラガールと並ぶ人気のショーに成長した。
河野辺さんは幼少期から、年末年始に家族で毎年のように同施設を訪れ、ダンサーに憧れていた。高校卒業後にシバオラのメンバーを目指したが、当時は採用がなく本県内の企業に就職。昨年8月、交流サイト(SNS)で新メンバーの募集を知り、選考に合格。今年1月に入社した。
小学3年から野球を続けているが、ファイヤーナイフダンスの経験はもちろんゼロだった。先輩からナイフの回し方やダンスの指導を受け、時には前髪が焦げたりやけどをしたりしながら、特訓を続けた。
ステージネームは「来寿ガレアイ」。ファイヤーナイフダンスの世界大会で優勝したデイビッド・ガレアイさんから取った。将来はアジア人初の世界チャンピオンになることが目標だ。
「誰かの憧れとなるダンサーになりたい」。夢への第一歩となるステージは、21日午後8時半に開幕する。