中部縦貫自動車道大野油坂道路、大野IC-勝原IC間が待望の開通 中部縦貫道福井県内区間の6割が利用可能に

大野IC―勝原IC間が開通した大野油坂道路。荒島IC付近では荒島岳が一望できる=3月19日、福井県大野市蕨生(日本空撮・小型無人機ドローンで撮影)

 中部縦貫自動車道大野油坂道路で初めての開通区間となる大野インターチェンジ(IC)-勝原IC間が3月19日開通した。中部縦貫自動車道の福井県内区間の約6割が利用可能となった。福井県大野市内で式典が催され、関係車両17台が通り初め。午後3時から一般車両に開放された。

 中部縦貫自動車道は、福井市と長野県松本市を結ぶ全長約160キロの自動車専用道路。延長61.4キロの県内区間では、大野ICと北陸自動車道の福井北ジャンクション(JCT)をつなぐ永平寺大野道路(26.4キロ)が17年に全線開通した。今回、大野油坂道路(35キロ)の大野市中津川と同市西勝原を結ぶ10キロ区間の供用が始まった。

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 この区間は2014年度に荒島IC-勝原IC間、19年度に大野IC-荒島IC間で着工。上下線合わせた道路幅は12~13メートルで制限速度は60キロとした。

 式典は旧蕨生小で開かれ、杉本達治知事や県選出国会議員4人、石山志保市長ら約90人が出席した。杉本知事は「福井と東京、中京圏の間の移動時間を短縮し、産業や観光の発展に大きな役割を果たす道。悲願である全線開通に向けて今後も全力を尽くす」とあいさつ。国土交通省の吉岡幹夫技監は「地元の期待に応えられるよう早期の全線開通を目指す」と述べた。

 出席者は荒島IC付近に移動し、杉本知事ら12人がテープカット。陽明中の生徒らがくす玉を割って開通を祝った。

 開通区間を利用した大野市の男性(38)は「荒島岳がよく見えて見晴らしのよい道だった。名古屋方面によく旅行するので全線開通が楽しみ」。同市の男性(81)は「道路がきれいで大きなカーブもなく楽に運転できた。岐阜県にもよく出かけるので便利になってほしい」と語った。

 大野油坂道路のうち勝原IC-九頭竜IC間の9.5キロが23年秋、九頭竜IC-油坂出入口間の15.5キロが26年春に開通する予定。

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