積水ハ、新中計3カ年で売上高10兆円─資材価格高騰、営利441億円減の影響

(提供:日刊不動産経済通信)積水ハウスは、23~25年度を対象とする第6次中期経営計画を発表した。基本方針は「国内の安定成長と海外の積極的成長」。商品・技術開発から、営業・設計・施工・アフターサービスに至るまで住まいづくりに関わる全てのプロセスを自社グループで担う独自体制を生かし、既存事業の深化と拡張を図る。
20~22年度までの前中計では、3カ年合計の売上高目標7兆8630億円、営業利益目標6360億円に対し、実績は売上高7兆9653億円、営業利益6781億円となり計画を上回る成長を果たした。新中計では、3カ年の売上高合計を10兆260億円、営業利益を8580億円とすることを目標に据える。
前中計期間中は、コロナ禍や資材価格の高騰に見舞われた。10日に都内で行われた経営計画説明会で仲井嘉浩社長は資材価格の高騰について、「3カ年で営業利益を441億円押し下げた。内部努力と価格転嫁を行ったが、270億円は回収できなかった」と説明。270億円の未回収でも好調な業績となったことに「自信がついた」と振り返る。新中計中の資材価格は横ばいとみており、「今のところ再度の値上げは考えていない」(仲井社長)という。
今後、国内では住宅の強靭性を高めるため、今夏をメドに地域ビルダーと組んだ「SI(スケルトンインフィル)事業」を始める。基礎・躯体(スケルトン)を積水ハが、パートナー企業が外装・内装(インフィル)を担う新事業となる。25年度までに300棟の供給を目指す。また、一昨年からグループの積水ハウス不動産が始めた戸建用地の仕入販売事業が初年度1000億円の売上となり、約8割を地域ビルダーが購入。手ごたえを得たことで「積極的に拡大する」(仲井社長)。

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