黒木華、ロバート・秋山竜次、町田啓太、佐々木蔵之介らが2024年大河「光る君へ」に出演決定

吉高由里子が主演を務め、2024年に放送されるNHK大河ドラマ第63作「光る君へ」(日時未定)に、黒木華、瀧内公美、秋山竜次(ロバート)、町田啓太、金田哲(はんにゃ)、渡辺大知、本田大輔、益岡徹、石野真子、橋爪淳、佐々木蔵之介が出演することが発表された。

「光る君へ」は、貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、世界最古の女性文学と言われる「源氏物語」を生み出した紫式部(吉高)の人生を描くもの。脚本は、同局の大河ドラマ「功名が辻」や連続テレビ小説「ふたりっ子」、「セカンドバージン」など、数多くのヒット作を手掛けてきた大石静氏が担当する。

黒木が演じるのは、藤原道長の嫡妻・源倫子。左大臣家の姫であり、宇多天皇のひ孫で、おおらかさと強さを併せ持つ女性だ。道長の出世の道を支え、共に歩む。紫式部(まひろ)とも交流があり、不思議な関係が築かれていく。

黒木は「藤原道長の嫡妻・源倫子のお話をいただいた時、『このドラマでの彼女は一見くったくのないお嬢様に見えるが、実は周囲が見えていて、本当の意味で統率力のある女性』とうかがいました。(2018年の「西郷どん」以来)久々の大河ドラマの出演ですし、連続テレビ小説『花子とアン』以来の共演となる吉高さんとのお芝居も楽しみにしています。藤原道長の嫡妻として、紫式部とはまた違った関係を築いていくさまを見ていただけるとうれしいです。倫子の持つ明るさや強さを、ユーモアをもって表現できればと思います」と意気込んでいる。

瀧内が務めるのは、藤原道長のもう1人の妻・源明子。父の源高明が政変で追い落とされ、幼くして後ろ盾を失った。夫を愛するが、立場は嫡妻の倫子に及ばず、紫式部(まひろ)の存在にも鬱屈がたまっていく。

瀧内は「制作者の皆さまからは、役柄のヒントは源氏物語でいう“六条御息所”と、現段階では言われております。なんというか、よく言えば奥深い、はっきり言えば、“おどろおどろしい”女がやってきたなと思いました。まだ台本をいただいてないのでどうなるかは分かりませんが、年月をかけて1人の人間を演じますので、今までに感じたことのない感情の積み上がりがあるんじゃないかな、と。役とともに生きていくのが今から楽しみです。大石静さんが紡いでくださる言葉を話すことが今から楽しみでなりません。明子さんをしっかり奥深く全うしたいです」と役柄への思いをはせる。

大河ドラマには初出演。「大河ドラマという歴史ある長編ドラマを経験させてもらえることがうれしいです。幼少期から両親と見てきたドラマに自分が出演する日が来るなんて。お話をいただいた時はうれしくてうれしくて、早く両親に伝えたい気持ちでいっぱいになりました。きっとこの発表を見た両親が一番喜んでくれていると思います」と感激している。

秋山が担うのは、道長の先輩・藤原実資。藤原小野宮流の当主。有職故実(政治や儀式のしきたり)に詳しく学識がある。正義と筋道を重んじると同時に、プライドが高い頑固者でもある。道長にとっては尊敬しつつも、煙たい存在だ。

秋山は「個人的に実資さんは歴史の授業でも習った記憶がなく、ネタでもやったことがありません。ですが藤原道長さんの先輩にあたり、大変ユニークでなかなかやり手な方だったと聞いてワクワクしています。僕に実資さんが務まるのか心配ですが一生懸命やらせていただきます。コントキャラみたいになっちゃわないか心配ですが…」と役柄について語る。

また、「初大河です。出られてめちゃくちゃうれしいです。大河ドラマの思い出は小学生のときに初めて爺ちゃんと毎週毎週楽しみに見ていた、中井貴一さんの武田信玄です。この姿を(祖父の)登一に見せたかったです」と大河出演を喜び、「コント番組で昔の格好をすることはありますが、大河のような本格的なセット、衣装、かつら、作法など初めてだらけです。そうそうたる俳優陣の皆さまの足を引っ張って邪魔しないよう頑張ります。ただ緊張しないためにもオモシロ髭くらい描いて挑んでもオッケーにしていただきたいです」とアピールし、秋山らしさも反映していきたい気持ちをうかがわせた。

町田が扮(ふん)するのは、時の関白の息子で、一条朝の四納言・藤原公任。道長とは同い年で、友情を育むが、出世レースが進むにつれ関係が変化する。音曲、漢詩、和歌など文化面に秀でており、紫式部(まひろ)の源氏物語に興味を持つ。

町田は「藤原公任は和歌や漢詩の第一人者であり多芸多才。関白の父と、天皇につながる血筋の母を持つサラブレッド。そして、藤原道長の学友でライバルであった人物というイメージがあります。また、実はまひろが紫式部と呼ばれるようになったきっかけをつくった…かもしれないとの逸話も。美意識と言語遊戯の世界で性別関係なく交流を楽しんでいたというところに、約1000年も前の時代なのになにか現代ともつながる感覚があったのではと、距離が近づく感覚がありうれしくなりました。今作でどんな藤原公任を演じていけるのか楽しみでなりません。必死に寄り添っていきたいと思います」と役柄を分析し、撮影に臨む。

加えて、「『西郷どん』で小松帯刀、『青天を衝け』で土方歳三を演じさせていただいておりまして、今作で3度目の大河ドラマ出演、光栄です。幕末の武士たちを演じましたが、前回の土方歳三役の時に殺陣の稽古を行い、監督をはじめスタッフの皆さんが僕の殺陣を気に入ってくださったことから、殺陣のシーンを多くしてくれたと聞きました。大河ドラマの現場は、本気でやれば本気で応えてくれる挑戦の場でもあると教えていただきました。今回さらに挑戦的に参加したいと思います」と気合が入っている。

金田が担当するのは、道長、公任と共に青春時代を過ごした一条朝の四納言・藤原斉信。道長の長兄・道隆の下に仕えるも、道長が出世し始めると、変わり身の早さを見せ、腹心として地位を築いていく。清少納言とも交流がある。

金田は「藤原斉信は紫式部の上司であり、清少納言好みの貴公子。そして花形の近衛中将で人気者。さらには若い頃から切れ者で道長の側近として政治、文化面を支えたのちに『一条朝の四納言』の1人まで登り詰めたスーパーエリートボーイという印象です。震えております。身が引き締まる思いであります。しかし気負わず自分の中にある気品、華、インテリジェンスを総動員して約1000年前の京都に行って参りたいと思います」と並々ならぬ思いで作品に参加。

そして、「小さい頃から歴史が好きで大河ドラマを見て楽しく勉強させてもらっていました。もう10年以上、歴史が好きな芸人さんたちと毎年大河ドラマが決まったらその人物をどう描くのか予想したり、ゆかりの地にツアーに行ったり、全国の大河ドラマ館に行ったりしていました。前にそのツアーで立ち寄った神社の絵馬に、『自分もいつか大河ドラマに出演します』と書いたことが現実になりました。初大河ドラマ、皆さんに喜んでいただけるように励みたいと思います」と大河ドラマとの関わりを伝え、京都が舞台となる本作への出演に「この世界に入って最初のロケが京都ロケでした。それはNHKさんで初めてのレギュラー番組でした。その後も、新選組の映画で太秦や渡月橋などの歴史的な場所で撮影させてもらったり、相方の川島章良の実家も、元は京都の祇園で京懐石のお店をやっていたりと不思議なご縁を感じます。毎回訪れるたびに新たな発見のあるすてきな場所だと感じています」と明かしている。

渡辺が務めるのは、一条朝の四納言・藤原行成。道長政権下で蔵人頭に抜てきされると、細やかな気遣いで実務に能力を発揮し、欠かせない存在として支え続ける。文字の美しさでは右に出る者がおらず、もてはやされた男性だ。

渡辺は「藤原行成は書の達人でありながら、道長のよき相談役としても才能を発揮していた人物です。そして実務に有能すぎて、なかなか出世させてもらえなかったという話を伺いました。それを聞いてしまうと不安でいっぱいになりますが、平安時代という、まだまだ明らかになっていないことの多い時代の物語に参加できることはとても楽しみです。自分なりの行成を、平安の風を想像しながら、人間味あるかたちで描けたらと思っております」と役柄について触れる。

さらに、「大河ドラマは3度目なのですが、いつも壮大なセットと衣装に興奮しつつ、背筋が伸びております。細部までこだわり抜かれたセットの中に入ると、自然と気持ちが時空を超えるのだと実感しました。また、前回『青天を衝け』に出演させていただいたとき、まげをつけたのが初めてでうれしかったのを覚えています。やはり衣装やセットにはとてもワクワクしています。お話を聞くだけでも、細かく時代考証を行なっているそうなので、自分が普段生活していて見ることのないような世界に入り込めるのが楽しみです」と期待している。

本田が演じるのは、一条朝の四納言・源俊賢。妹は道長の妻・明子だ。父の高明を政変後に失うも、持ち前のバランス感覚で地道に出世する。当初は道隆に仕えていたが、道長に権力が移るのを冷静に見定め、頭角を表していく。

本田は「人物を調べてみると、処世術、才知に長けていて、バランス感覚に優れ、冷静かつ切れ者。誠実な部分もあり、ミステリアスな部分もあり、僕なりの解釈は『ででで? 本当はどうなの?』です。今はただ、ワクワクしております。正直に心が動くように精いっぱい努めさせていただきます。楽しく弾んで挑みたいと思います」と役柄への想像を膨らませている。

益岡が扮(ふん)するのは、倫子の父・左大臣源雅信。藤原氏の勢いには一歩譲るが左大臣に上りつめる。愛娘の倫子を入内させるべきか悩むが機を逃し、思いがけずライバルの藤原兼家の三男・道長を婿に迎えることになる。

益岡は「世界最古の長編小説といわれる『源氏物語』。その作者である紫式部という女性がどういう人生を歩んだか、大石静さんがどんなドラマを見せてくれるのか、とても興味があり、楽しみです。登場人物の1人として、想像力をかきたてて、その中で生きてみたいと思います」と抱負を述べる。

そして、舞台となる京都に関しては「40数年前、時代劇の撮影で、雪のちらつく寒い頃に初めて行きました。スタジオの片隅に『大魔神』の3、4mはあろうかという像がほこりをかぶっているのを見つけて、子ども時代に夢中で見ていたものが目の前にあって、驚いたことを覚えています。冬の間は、ロケではもちろん、セットの中でも『ガンガン』です。一斗缶に炭を真っ赤におこして、みんなで囲んで暖をとる。さらに寒くなると、大きなやかんに紅茶を沸かし、砂糖とウイスキーをたっぷりと入れたものを、あくまでも紅茶だとして、みんなで飲む。今もやっているのでしょうか? 忘れられません」と思い出も語っている。

石野が演じるのは、雅信の妻で倫子の母・藤原穆子。紫式部(まひろ)には遠縁にあたる。倫子を伸び伸びと育て、穏やかな家庭を築いている。三男坊である道長の才をいち早く見抜き、娘婿にと後押しする。

石野は「穆子は、きちんと自分の意見を夫に言える妻としてまた、母として愛情深い女性と感じております。大河ドラマはたくさんのキャスト、大勢のスタッフの方々と共に創っていく壮大なドラマ。一員になれましたこと、心からうれしく、楽しみにしております」と出演を喜び、華やかな時代の京都を舞台にした物語に「子どもの頃、楽しみにしていた雛祭り、お雛様の世界が実際に目の前で繰り広げられるなんてとても貴重な経験とともに多くを学べること、大変楽しみです」と胸を躍らせている。

橋爪淳が担うのは、兼家のライバルであり、公任の父で関白の藤原頼忠。娘を円融天皇に入内させるも皇子を得られず、政治的な力を持てなかった。兼家がらつ腕を振るいは始めるとさらに押され、名ばかりの関白になる。

橋本は「大石先生が命を吹き込む平安時代の人物・頼忠が、あたかもそこにいるかのように生きることができたら面白いだろうなぁと思っています。どんな言葉をしゃべり、どんな行動をする人なのか、そこから見えてくる頼忠の在り方を見つめながら頼忠を生きたいと思います」と役作りについて語る。

さらに、「京都は時代劇俳優として過ごした第2のふるさとです。今でも京都に撮影に行くと当時のことを思い出し、胸が熱くなります。京都に行くと必ずお香を買います。稽古場でも毎日お香をたいています。お香をたくと独特の世界が広がるのが好きです。日常から切り離されて精神が統一されるのを感じるからです。平安時代はどんな香りがたき染められていたのかな」と想像をめぐらせる。

そして、佐々木が務めるのは、紫式部(まひろ)の夫・藤原宣孝。紫式部の父・為時とは職場の同僚で同年配の友人同士。世知に長け、鷹揚な性格の男性だ。まひろのことは幼い頃から知っており、よい話し相手となって温かく見守る。

佐々木は「紫式部は藤原宣孝と結婚し、1女を授かるもわずか2年数カ月で宣孝が病に倒れ逝去。夫の死後『源氏物語』の執筆、とあります。2人の出会いや、短いですが夫婦として過ごした時間に想像を膨らませています。今作での藤原宣孝は『世渡り上手で華やか、押しの強いキャラ』らしく、あぁ、これは絶対オモロい演じがいのある役になるなと直感しています」とコメント。

加えて、「脚本の大石さんのおっしゃる『セックス・アンド・バイオレンス』な切り口の平安時代が、危なっかしくて楽しみで仕方ありません」と物語展開に期待しつつ、「京都は私の生まれ育った地です。紫式部の勤務地、京都御苑には、子どもの頃からセミ捕りに行ったりグランドで野球したりと。今も帰省した際の定番散歩コースの一つ。脚本の大石さんと初めてご一緒させていただいた作品が、2000年の朝ドラ『オードリー』。日本映画の地、太秦。やはり、京都が舞台でした。ご縁を感じます。そして、いよいよ文化庁も京都へ移転。国風文化が花開いた1000年前の京都平安時代を生きられること、楽しみにしております。視聴者の皆さまも、ぜひご期待ください」とアピールしている。

今回の出演者発表に寄せて、脚本の大石氏は「黒木華さん、瀧内公美さんは、ご一緒したいと願って来た女優さんです。道長をめぐる2人の妻としても好敵手。倫子は、男だったら政治家として道長を凌駕(りょうが)していたかもしれない太っ腹でやり手な妻。でも小さなヤキモチも焼くし、甘え上手でもあり、人間のあらゆる面を併せ持つ多面的な人柄です。黒木さんの演技力で縦横無尽に演じてほしいです。瀧内さんの明子は、父の失脚で薄幸の人生を生きながら、復讐(ふくしゅう)の念をふつふつと抱いています。でもそれを表さずにいるうちに、自分でも何を望んでいるのか分からなくなるような複雑な女心の持ち主。映画で見る大胆な演技力で、魅力的な明子を見せてくれると思います。ロバート秋山さんも念願中の念願キャスト! これまで何度も玉砕して来たのはユースケ・サンタマリアさんと同じです。やっとご一緒できてうれしい限り。思いっきり好き勝手にやってほしいです」とコメント。

加えて、「まひろの夫となる宣孝は、ぜひとも蔵之介さんにやってもらいたいと思いました。道長とは違うタイプですが、道長も宣孝も優しさと残酷さを併せ持ち、清濁併せ飲むタイプの男です。まひろの闇を何もかも知りながら妻にするオトナで怖い蔵之介・宣孝。想像するとゾクッとしますね。一条帝時代の四納言は、このチームこだわりの高身長、面長、美貌の4人。道長に逆転されて、部下として仕えるようになる公任・斉信の町田啓太さん、はんにゃ.・金田さんには、抜きつ抜かれつのサラリーマン的悲哀を面白おかしく演じてほしいです。行成は道長に尽くしまくり、道長と同じ日に死ぬという宿命の部下。書きながら、渡辺大知さんがどんな感じに切なく演じてくれるかな…とあれこれ想像しています。思うことがたくさんあって書ききれないですが、すてきなキャストがそろって、台本もしっかり書かねばと、身の引き締まる毎日です」と熱い思いを伝えている。

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