造山古墳 全国4位の全体像が一目 200分の1ジオラマ 岡山で公開

造山古墳を再現したジオラマ

 古代吉備のシンボルの全体像を一目で―。岡山市教委は全国第4位の規模を誇る前方後円墳・造山古墳(北区新庄下、国史跡)のジオラマを完成させ、市埋蔵文化財センター(中区網浜)で20日に公開を始めた。

 実物の200分の1サイズで、長さ2.2メートル、幅1.9メートル。詳細な測量を実施した2012年ごろの姿を周辺の住宅や水田と一緒に再現した。墳丘の斜面は段々になっていて、3段築成の構造を分かりやすく伝える。後円部の周囲は過去の宅地造成などで削られた形跡があり、すぐそばに民家が立ち並ぶ。

 造山古墳は墳丘に登れる古墳としては全国一の規模。あまりに巨大で現地を訪れても全容を把握しづらいことから、俯瞰(ふかん)できるジオラマを作ったという。他施設に貸し出す期間以外はセンター内で展示する。

 市教委は23年度から後円部の復元整備に着手する予定で「実物もジオラマも見て、壮大さを実感してほしい」(文化財課)としている。

 日曜、祝日休館。同センターでは造山古墳に従う陪塚(ばいちょう)・千足古墳から取り出した石障も4月1日まで公開している。

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