【大和ヒロシ インタビュー】春は千葉でプロレス観戦!「プロレスを見たことがない方に無料観戦の場を増やしたい」

現在フリーとして活躍している大和ヒロシがプロレスTODAY編集部に来社。

プロレスラーとして活躍するだけでなく、市原観光PR特使就任として千葉を盛り上げ、またプロレスの普及にも貢献している一面も持ち合わせる。そんな大和ヒロシが春に企画する千葉発の2大プロレスイベントを紹介。

また、武藤チルドレンとして2月21日に引退した武藤敬司氏について思うことやエピソードを伺った。

そして大和ヒロシと言えば海苔、そこに強力なライバルが出現したようなのだが、果たして!?

①最近の活動について

©DDTプロレス(小湊鉄道

--大和選手、最近の活動状況はいかがですか?

今年の2月に、ずっとやりたいなと考えていた、静岡県の浜松市で列車プロレスをやったんですよね。「NPO法人プロレスで浜松を元気にする会」という会があり、天竜浜名湖鉄道を使わせていただいて。浜松會RUDE53主催でDDTさんとわたしを呼んでいただき列車プロレスを開催しました。

--とても楽しそうな企画ですが、実際やられていかがでしたか?

そうなんですよ。お客様からの反応がすごくよくてですね。お値段が12,000円とちょっとお高めな設定になっていたんですけど。40数名の限定発売だったんですけど、発売から3分で完売したという…

--それはすごい!飲食があったり?

いやついてないんですよ。びっくりしましたね。昨年も千葉の小湊鉄道で5,000円で開催したんですね。1人5,000円だったので、そのときは売れるだろうなと思っていましたし、実際2分で完売したんですけど。

▼【DDT】小湊鉄道列車プロレスを開催!フェロモンズが猛威振るうも千葉出身の大和ヒロシがバトルロイヤル優勝

--2分ですか!?

はい。でも今回倍以上の金額になるということで、さすがにちょっと苦戦してしまうのではないかなという心配もあったんですけど。浜松の方が主催してくださったので、苦戦したら申し訳ないなと考えていたんですけど、蓋を開けたら3分で完売という…

--すごいですね。

やって良かったなと思いました。

②市原観光プロレス 観光バスツアーについて

--イベントプロレス的なものは、大和選手はいろんな形で携わってこられたかと思うんですけど、来る3月にも2つのイベントを開催されるということを伺っております。まずは3月25日(土)の『市原観光プロレス観光バスツアー』についてお伺いします。

これはですね、昨年『市原観光プロレス』というものを立ち上げたんですけど。一昨年に私が市原観光PR特使就任をさせていただきまして、その関係で市原でいろいろイベントなどに参加させていただいていたんですよね。その流れで、あるときから観光キャンペーンの中でマットプロレスをやってほしいという話が持ち上がりまして。わたしの方で選手をブッキングさせていただいたりとかして開催したんですけど。昨年の春…秋かな…の大会でくいしんぼう仮面選手が試合開始の直前に「今日で『市原観光プロレス』を旗上げした!」とおっしゃったんですよね。それをわたしはあまり重要視していなくて、その場を盛り上げてくれたなくらいの感じでいたんですけど、観光協会の方がものすごいのってくださって。「これはぜひやっていきましょう!」ということでのぼりを作ってくださったりして。市原観光のPRキャンペーンといったらプロレスというようなくらいどんどん開催していただくようになりましたね。

--観光協会の方のノリがいいんですね。

そうなんですよ、元々すごいプロレスがお好きな方で。プロレスに対してリスペクトがある方が中にいらっしゃるので、その関係でどんどんやってくださって。今回のバスツアーにしても、企画されたのは観光協会さんなんですよ。こんな企画考えちゃったんですけど…とご提案をいただいたのが観光バスツアーなんですよ。

--面白いですね。

観光地をツアーで巡って観光していくわけなんですけど、その要所要所でマットプロレスも行われるという…。わたくしはそのバスにお客様とご一緒に乗りながら、行く先々で試合をしなくてはならないという過酷なツアーなんですけど(笑)

--それはきついですね(笑)

しかも蓋を開けてみたら、食事休憩に鰻のお店に行くんですけど、そちらにふれあい広場でステージがあるんですよね。そこで大和ヒロシの歌謡ショーが行われるという…。もうプログラムに書いてあったので、ご期待に応えてとことんやらして頂こうじゃないか!…と(笑)

--大和選手の全ての魅力が楽しめる1日になりそうですね。

お楽しみいただければ。

--ツアーは3月25日ですね。市原の街を満喫できるようなツアーになっているということでしょうか

そうです。満喫できますし、このツアーを開催することによって市原の魅力の発信もすごく出来ると思っています。

--今回すでにくいしんぼう仮面選手、火野裕士選手の参戦が発表されています。そのほかにXが参戦されるということで。

はい、とりあえずお2人決まっております。

--また、こちらのバスツアーのネーミング権も販売されているということで興味のある方はネットで購入お願いできればということですね。

そうですね。

--市原の街は観光大使になられていかがですか?

すごくいろんな要素がある街なんですよ。海もありますし、湖も、里山の風景もあって。昨年列車プロレスを開催した小湊鉄道っていうローカル線も走っててですね。本当何でも揃っている素敵な場所なので、ぜひもっとたくさんの方にいらしていただきたいですね。

--東京からも比較的近くて行きやすいというところも魅力ですよね。

アクアラインを使えばあっという間に市原にいらしていただくことが可能なので、ぜひ1度いらしていただきたいです。

③茂原げんきプロレス について

--そして、翌日の3月26日には茂原公園大広場ステージでプロレスを開催されます。

そうなんです、翌日だから連日ですね。

--『茂原元気プロレス』ですが、こちらはどのようなイベントでしょうか?

昨年まで千葉県内でいろんなプロレスを開催していくなかで、基本的には体育館や小箱と言われるような会場の中で行うプロレスがほとんどだったんですね。そういったプロレスですと、なかなかプロレスを見たことがない方にお伝えしにくいなと。やはりプロレスの第一歩を踏み出していただくためには見ていただくのが一番なんですね。ただやはり大会となると、会場の中に入るというのも敷居がちょっと高いかなと思いまして、その壁をとっぱらいたいなと。なので、屋外でフランクにですね、もう無料で。ご観戦いただける大会をどんどん増やしていきたいなと。

--プロレスって選手を一切知らないという方でも、チョップやドロップキックの技を見るだけですごく沸きますよね。

そうなんですよ。今まで見たことがない方でもすごく反応してくださってるのを、いろんなところで身をもって体感しているので、その機会をもっと自分で作りたいなと思いました。

--なるほど。観戦無料ということですが、この費用はどこから…

これですね、茂原大和会というのがあって、茂原市内で私のことを以前から応援してくださってる会があるんですよね。その方々が尽力してくださって…

--「茂原を元気にしたい!」というみなさんが集まって大会が開催されるんですね。

そうなんです。

--大和選手の人柄がなす技ですね。茂原との繋がりはどういったところだったんですか?

実は茂原と深く繋がり始めたのは、自分のプロデュース大会を開催した2012年からなんです。それが初めてのプロデュース大会で千葉県君津市での開催だったんですけど、初めてのことだったのでどういう風に声をかけていけばいいのか、どういう風に宣伝したらいいか全然分からなかったんですよね。でもいろんな方に話を聞くうちに、茂原の方にもプロレス好きで応援して下ってる方がいらっしゃるという話を聞きまして。全然離れてはいるんですけど、会いに行って宣伝とかをしてるうちに大和会の原型を作ってくださる方とお会いすることが出来たんです。

--そうなんですね。やはり人と人の繋がりって重要ですよね。

元々出会った方もお1人だったんですけど、その方と茂原で活動しているうちに、1人増え2人増え『茂原大和会』というのが出来上がったかたちですね。

--ゆくゆくは政治の世界にも行けそうですね。

いやいやいや(笑)

--茂原の皆さんに後押しされるかもしれませんが(笑)。こちらの『茂原元気プロレス』の見どころはどういったところでしょうか?

実はこちらはリングを設置するんですよ。ただリングを作るんですけど、公園のあるステージの上にリングを作りますので、通常の大きさだと収まりきらない可能性があるので、今回はミニリングを。日本で最小の3m四方のリングになります。

--いつもの半分ですね。それは工夫して闘わないとですね。

じゃないとすぐロープブレイクになっちゃうので(笑)

--逆に面白そうですね!普段とは違うプロレスが見れそうです。

ですので、プロレスを見慣れた方にも初めて見る光景になるかと思いますね。

--3m四方のリングなんて、あったんですね。

ほかだと、巣鴨の闘道館さん。あそこの地下プロレスで使われてますね。2階なんですけど、地下プロレスなんです(笑)

--(笑)。当日は、大和選手のほか、くいしんぼう仮面選手、大谷譲二選手、神崎ユウキ選手、そしてレフェリーはピンクタイガーさんということで。ちなみに雨が降ったらどうなるんですか?

これが…こちらのステージ屋根がついてるんですよ。雨天決行です。

--雨天の場合でも楽しめるということで、こちらもぜひ楽しんでいただきたいですね。

➡次ページ(武藤敬司引退について、海苔のライバルが出現!?、今後の活動)へ続く

④武藤敬司選手の引退について

--そして大和選手といえば、『武藤塾』の新人オーディションを経てレスラーになられているということで、武藤選手とレスラー生活を共に歩んできた部分もあるかと思います。武藤敬司選手の引退についてはどのように思われましたか?

いや、もうついに来てしまったなというのがまず思ったことでしたね。

--ご自身思い出深いエピソードなどあったりしますか?

やはり自分のこをと見出してくださった方なので、生みの親ですよね。いや、育ての親という方が強いのかな…。そうですね、生みの親って言うと全日本プロレスっていう存在なんですよ。でも自分のことを育ててくれたのがやっぱその武藤敬司っていう人間だったので。その育てた親についていきたいと思って、レッスルワンに行ったわけなんですけど。今現在のわたしのプロレスのキャリアが16年になるわけなんですけど、そのうちの10年間を武藤さんと一緒に過ごしたわけなので。

--はい。

だからどうしても思い入れが強くなってしまう方ですよね。

--武藤さんから指導を受けて、自分の中で変わったなということとかありましたか?

そうですね、なんでしょうね…これを言ってしまうとあれですけど…反面教師的なところでしょうね(笑)。経営者としてしっかりしなくてはいけないなという(笑)。

--それが今のご自身の地域活性などの企画に生きてきてると…(笑)

(笑)

--プロレスラーとしての魅せ方といった部分は指導されたりはしたんですか?

直接的な部分でいうと、コーチはカズハヤシさんだったので技術だったりの部分とかは全てカズハヤシさんから学んだんですけど、やっぱり生き方ですよね。あれだけ体がボロボロになってても、リングに上がると生き生きとしてそういう部分全然見せないじゃないですか。普段は、もう歩けないくらいの状態で生活されているのに、全く感じさせない。そういうところなんですよ。そうじゃなきゃいけないんだなっていうのを、背中で見せてくださった方ですよね。

--プロとしてのスタンスというか、生き様みたいなものですね。

⑤大和ヒロシといえば、海苔!

--そして大和選手といえば海苔ですが、今日もお土産でいただいて…海苔についてもお伺いさせてください。

実はですね、元々自分の故郷・千葉県君津市というところが海苔の養殖で栄えた街なので。その特産品を自分のグッズにすることで地元のPRになればいいなと思って展開していったんですけど…今君津以外の海苔にもだいぶ手を出しましたね(笑)

--(笑)

1つは冒頭に話させていただいた列車プロレスをした天竜浜名湖鉄道のある浜松市。浜松市に”ぶち海苔”というのがありまして。浜名湖でもアオサを作っていて、それを混ぜた海苔なんですよね。それを販売させていただいてます。

--そうなんですね。海苔って産地によって違いがあるというか、味が変わったりするんですか?

変わりますね。特にこのぶち海苔というのはすごく特徴的でして、香りがいいのと苦みがあるんですよ。これがお好きな方にはたまらないらしくて。実はですね、老舗の料亭さんがとても気に入ってくださって、このぶち海苔のコース料理を作るというコラボイベントの話も進んでおります。

--もう君津、浜松以外でも海苔とコラボして大使とかやっていけたらいいですよね。

いいですね。

--白がイメージカラーの大和選手ですが、ここは思い切って黒に!

いやいや、そうですよね。まあでもイメージカラーは変えれないですけど…

⑥海苔を代名詞とする大和ヒロシに強力なライバル出現!?

--実は、全日本プロレスの宮原選手が、海苔のコラボ商品を発売されますがご存じですか?

もう度肝を抜かれましたよね。しかも団体や本人のリリースで知ったわけでなく、ファンの方が私と宮原選手の海苔の両方の写真を載せて「どちらが美味しいのかな?」っていうのを見て。

--(笑)

どっちが美味しいってどういうことだ?と思ってよく見たら、宮原選手じゃないか!と。いろいろ調べてみると、私と似た文言で出してるんですよ。「最高だぜ!」とかまでかぶってるし、びくりしますよね。

--正直、プロレスと海苔ということで大和選手が関わってるのかと思ってました。

いや全然知らなかったですね。

--これは強力なライバルがあらわれましたね。

本当ですね。地元のPRをしたいという気持ちもありましたけど、もう1つの理由としてここは競合しないだろうなっていうのもあったんです。Tシャツやタオルのグッズはみなさん作られるじゃないですか。それを避けていこうかなっていうのは、フリーになった際にやはりあったんですよね。でもまさかここで、競合相手が出てくるとは…

--いずれこれはリング上で決着をつけないといけないかもですね。

でも競合相手が出てくるということで、切磋琢磨ができますよね。

--ここを勝ち抜いて、海苔のアンバサダーになっていただかないと。

そうですね、国盗り合戦のようですね。先に各国をおさえて…(笑)。でも今度名古屋で、『金曜海苔プロレス』というのをスポルティーバアリーナさんで行うんですよ。

--なんですかそれ!?

飲食も提供されているので、こちらでぶち海苔を使用した料理を作っていただいて、料理を食べながらプロレスが観戦できるっていうイベントをやりましょうと。

--これはいつですか?

4月7日(金)の、来月ですね。

※チケットはこちらから

--これも楽しみですね。

そしてさらに広島でもわたし売り出しておりまして…。山城屋さんという瀬戸内の海苔を使った海苔屋さんがあるんですけど、そこの広島の牡蠣を使った醤油で味をつけた海苔がありまして美味しいんですよ。今度5月1日に大日本プロレスの広島大会があるんですけど、ご縁から提供試合をいただくことになったんですよね。

--えーそうなんですか。

そうなんです。山城屋さんプレゼンツの試合を1試合をいただけることになりまして。ここでも海苔のご縁でプロレスの輪が広がるという…

--海苔のパワーすごいですね!

そうなんです、だからそこに宮原選手は目をつけたんじゃないかと(笑)

⑦今後の目標

©2AW

『茂原げんきプロレス』に絡む話になりますが、こういった無料の大会を開催していきたいなと思うんですよね。でもどうしても経費がかかってきてしまうことになるので、ご協賛でどうしたらいいのかなと考えたんですよね。今までは各大会で冊子を作って、広告を載せさせていただくという形をとらせていただいていたんですけど。やはり無料の大会で、しかも数多くなるとそれもやりにくいというか、作りづらくなりまして。そこで検討した結果、わたしと関わりの深いテレビ局さんの枠を買ってしまって、そこにご協賛いただこうと思ったんですよね。

--なるほど。

ですので、今年自分の番組を持ちます!

--思い切りましたね。

はい、ちょっと勇気ある決断でしたけど…決断させていただきました。一応放送日は決定していて、4月の最終金曜日に第1回目を予定しているので、お知らせしていいタイミングになりましたらまたお知らせさせていただきたいと思っております。番組名はもう発表しちゃいますけど『千葉プロレス百景』。千葉県内で開催するプロレスを特集して流していこうと考えてます。

--なるほど。プロレスと千葉を紹介していくような番組になると…

そうです。昨年でいうと小湊鉄道の中でもやりましたし、富津の金谷港から横須賀の久里浜港を繋いでいるフェリーがあるんですけど、その運航中のフェリーの上でプロレスをやったりとか。

--プロレスラーとしていろんなプロレスの企画をされるだけでなく、ご自身のテレビ番組の枠まで持ってしまう大和ヒロシ選手の今後が楽しみです。

ありがとうございます。今週末のイベントを始め、ぜひご参加・ご視聴いただけましたら幸いです。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

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