新米パパの2週間(上)ダウン寸前 大変さ、喜び 妻と共有

育休中、息子にミルクを飲ませる記者

 おむつからあふれるうんちに悲鳴を上げた。「騒ぎ過ぎ」と妻はあきれている。第1子となる生まれたばかりの息子の育児場面だ。初めて「うー」と声を発したときには夫婦で盛り上がった。寝顔はいとおしくていとおしくて―。

 私は33歳の報道部記者。先日、昨年10月にスタートした新しい育児休業制度「産後パパ育休」を取得した。驚きと感動の日々は今も脳裏から離れないが、ここに至るまでには実はためらいもあった。

 勤め先の取材班は3人。抜ければ残る2人の負担が増す。でも妻を支えたいし、そもそも育児がしたい。同僚の後押しもあり、悩んだ末に申請した育休期間は2週間。取得できる上限の半分だった。

 妻に育休取得を告げると驚かれた。職業柄、全く期待していなかったそうだ。喜んでくれた半面、内心は「4週間じゃないのね…」と拍子抜けしたとか。後から聞いて申し訳ない気持ちになった。

 せっかくの機会だから育児や家事はできる限り引き受けようと張り切った。特に夜間の世話は「全て任せて」と宣言。妻が長男を伴って実家から帰ってきた2月上旬、育休に入った。

 すぐに大変さを思い知った。2、3時間おきにミルクを作り、おむつを替え、ぐずると抱っこ、気付けば沐浴(もくよく)の時間。洗濯や掃除、料理は合間に行うのでなかなか気が休まらない。夜泣きによる寝不足もあって育休終盤はダウン寸前。時々、妻に助けを求めた。

 それでも、育児の大変さや喜びを2人で共有できたのは大きな収穫だったかなと感じている。後悔があるとすれば…、やっぱり2週間は短かった!

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 第1子を授かった本紙記者は、妻の出産が近づくにつれ、育休取得を意識し始めた。妻の負担を少しでも解消したい。ただ職場を空けて大丈夫か…。「産後パパ育休」体験を交え、揺れる思いやホンネを報告する。

 産後パパ育休(出生時育児休業) 2022年10月に創設された。通常の育休とは別で、子どもが生まれて8週間以内に計4週まで2回に分けて取得できる制度。申し出期限は原則、休業の2週間前までなど職場の状況に応じて柔軟に取れる。厚生労働省によると男性の育休取得率は13.97%(21年度)と依然低く、期間は半数超が2週間未満にとどまる。

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