ソテツを枯らす外来種の害虫、沖縄で初確認 国内で2例目 すでに防除も県が注意呼びかけ

 ソテツの葉や幹、根に寄生し枯死させる外来種のカイガラムシ「アウラカスピス ヤスマツイ」が沖縄県内で初めて、国頭村内で確認された。県環境部環境再生課が13日に明らかにした。国内での確認は2例目。1例目の鹿児島県・奄美大島では被害が700本以上に拡大し、国頭村内では9日までに43本が枯れるなどしている。すでに防除されており、村外への拡大は確認されていない。ただ、同種は風や人・動物に付着して拡散するとされ、環境再生課は注意を呼びかけている。
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 県内への侵入経路は不明だが、県は「アウラカスピス―」を含むカイガラムシの防除方法が確立されていることを強調。「防除方法をホームページで公開しているので、積極的に防除してほしい」と呼びかけた。
 カイガラムシは世界に約7千種、県内を含む国内には約400種が生息している。アウラカスピス―は東南アジア原産。国内1例目の奄美大島では、被害が2021年夏から確認されるようになり、22年10月以降に拡大。県は、沖縄への侵入を警戒していた。
 その中、23年2月9日に国頭村内でカイガラムシが付いたソテツの葉が変色していることが確認され、3月9日に農林水産省那覇植物防疫事務所がアウラカスピス―であることを特定した。このソテツは管理者が葉を切り落とし、薬剤を散布して防除した。
 問い合わせは県環境部環境再生課の電話098(866)2064。
(安里周悟)
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