トヨタ、歩道走行できる3輪モビリティ「C+walk S」発売 衝突回避装置仕様も用意

トヨタ自動車は3月20日、新しいモビリティシリーズ「C+walk」の第2弾として、「C+walk S」を発売することを発表しました。「C+walk S」は、歩道での移動を支援する3輪のモビリティで、高齢者など日常生活に困難を感じている方々をサポートすることを目的としています。

高齢化が進展する中、75歳以上の高齢者は、無理なく歩ける距離が100mまでと答えた方が約2割であることが明らかにされています。また、運転免許を持っていない方においては、外出する頻度がさらに低くなっています。こうした背景を踏まえ、トヨタは「Mobility for all」を目標に、「人」中心の豊かな社会の実現を目指しています。

C+walk Sは、自分一人の力で歩けるものの、長距離・長時間の歩行に困難を感じている方々をサポートすることを目的としています。周囲の歩行者と並んで会話ができるなど歩行空間での高い親和性を追求し、障害物検知機能などの安心装備も搭載しています。道路交通法では電動車いすに該当し歩行者扱いとなります。

エクステリアは、周囲の圧迫感を軽減するスリムなフォルムで、人混みでの使用にも適しています。130mmのステップ高と広く低いステップ、立ち座りがしやすいシートポジション、高くできるアームレストなど、乗り降りがしやすいユニバーサルデザインにこだわっているのが特徴です。

構造は前輪と後輪2輪の3輪で、走行中も前方が見やすくなっています。ハンドルシステムはプラスチック製のボディにシームレスに接続されており、その中にはワンタッチで取り外し可能なバッテリーが収納されています。また、シート下には大容量の収納スペースがあります。ボディカラーはブラックで、カラーパネルにはウォームグレー、グレーメタリック、カッパーマイカメタリックをディーラー装着オプションで用意しています。

C+walkは、人にやさしいシンプルな操作系を採用。ハンドルの両側にあるアクセルレバーを操作するだけで、発進、加速、減速、停止が可能です。また、左右どちらの手でも操作できるブレーキレバーで停止させることができ、さらに別のバックボタンを押すことで後退させることも可能です。また、バッテリーの状態や速度が一目でわかる状態表示パネルも搭載しています。

モーターはインホイールモーターシステムを搭載しています。後輪の内側にブラシレスDCモーターを配置し、障害物の乗り越えや坂道もスムーズに走行できる。最高速度は時速6kmで、これは人が歩く速度に相当します。1回の充電で約12kmの走行が可能です。最小回転半径は0.95mで、狭い場所でもスムーズに操作することができます。

他にも、走行中の前方の人や障害物との衝突回避に貢献する「障害物検知機能」搭載モデルも用意。フロントセンサーが障害物を検知すると、自動的に時速約2kmまで減速し、警告音とパネル表示でオペレータに注意を促します。また、カーブや急な坂道で減速する「ステアリング速度制御機能」や「急傾斜地検知機能」を搭載しており、高い安心感を提供します。他にも小旅行の際に便利な、手で押せる「プッシュモード」を搭載しています。タイヤは全輪にノーパンクタイヤ(10インチ)を採用し、パンクの心配がありません。

また、自治体と協力し、C+walk Sを活用した新たな事業モデルの検討も進めており、より良いモビリティ社会の実現を目指すとのことです。

C+walk Sの価格は498,000円で、障害物検知機能搭載モデルのSafety supportが505,000円です。

C+walk S 主要諸元

-Safety support全長×全幅×全高(mm)1,185×650×1,030ステップ高(mm)130車両重量(kg)58最小回転半径(m)0.95乗車定員(名)1身長制限140cm~185cm体重制限100kg*1モーター種類ブラシレスDCモーター×2定格出力(kW)0.25最高出力(kW)0.35動力用主電池種類脱着式リチウムイオンバッテリー容量(Ah)13.2総電圧(V)25.2総電力量(kWh)0.33連続走行距離(km)約12*2充電時間普通充電単相100V/6A約2.5時間(満充電)*3最高速度設定(km/h)1、2、3、4、5、6(切替可)実用登降坂角度(度)10段差乗り越え高さ(mm)50段差降り高さ(mm)50溝乗り越え幅(mm)100操作方法ハンドル型ブレーキフロントドラム式 リヤ電磁式タイヤサイズ(in)フロント10 リヤ10(ノーパンクタイヤ採用)

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© シクロライダー編集部