今までずっとありがとう…閉校の熊谷・星宮小、児童が地域住民に「感謝状」 分担して計246軒回りきる

新井さん宅でお礼を伝える星宮小の児童たち

 本年度で閉校になる埼玉県熊谷市立星宮小学校児童53人が、温かく見守ってくれた小学校区域の住民宅を一軒一軒訪れ、「ありがとう」のお礼とともに感謝状を手渡した。

 同校は、1955(昭和30)年10月の開校以来68年間、地域と共に歴史を刻んできたが、児童数の減少により、4月からは市立成田小学校と統合する。

 同校では、PTAのほかに、卒業生や地域住民を対象とした同小の「準会員」制度があり、年間千円の会費とともに学校行事への支援をしてきた。

 この日、全校児童が6~11人の六つの班に分かれ約2時間かけ、池上や下川上地域の246軒を回った。児童らは感謝状とともに大きな声で「ありがとうございました」とあいさつ。新井登久次さん(81)とシゲ子さん(76)夫妻は、「孫たちもお世話になりました。星宮小の子はみんな明るくて伸び伸び育ち本当に良い子ばかり。寂しくなります」と目頭を熱くしていた。

 下川上地区前自治会長の三菅道夫さん(69)は、「自然豊かな環境と地域住民と一体となった学校運営は理想的な教育でした」。秋元敏行校長は、「深い愛情に見守られた子どもたちはこれからも輝く星のように星宮っ子として誇りを持ってくれるでしょう」と話した。

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