実学教育を推進する千葉商科大学が、2024年度入試より探究学習の取り組みや成果が入試に活かせる「探究学習評価型」を新設

2022年度より、高等学校における教育課程(カリキュラム)、学習指導要領が改訂された。高等学校での学び方が変化し、中でも「探究学習」が大きな特徴と言えよう。また、改訂による科目の再編は、大学入試における学力試験の出題科目や範囲も変更となる予定だ。

千葉商科大学では、2024年度入試より新しいカリキュラムで学んだ高校生が、その能力を発揮できるよう学びに即した新しい方式の入試の設置、また既存入試方式の一部変更を決めた。

同大学ではこれまでも受験生が自分らしさを活かせるように、学力だけでなく高校生活を含めた総合評価を行うために多様な入試を実施してきた。今回の変更のポイントは3つある。

まず1つ目は、給費生総合型選抜の中に「探究学習評価型」を新設。

千葉商科大学では、高等学校の探究学習は、大学入学後の学びとの親和性が高いと考えている。

なぜなら、創立以来、変化する社会に対応しうる人材を輩出するため実学教育を理念としているからだ。アドミッション・ポリシーにおいても、探究学習で重視される要素が見て取れる。

[千葉商科大学アドミッション・ポリシー]

●実社会における諸課題を発見し、解決するための専門教育と幅広い教養教育で知識・技能を学ぶ意欲を持つ学生

●実社会の多様な人々との連携とアクティブラーニングにより主体性・協働性・公平性を身につける意欲を持つ学生

●これらの学びを通して思考力・判断力・表現力・倫理観を修得する意欲を持つ学生

新たな入試方式の検討にあたっては、千葉商科大学が学習指導要領の改訂を意識しつつも、あらためてアドミッション・ポリシーにある学生像に立ち返った。その結果、部活動や資格、プレゼンテーション能力などの特筆すべき項目だけでなく、主体的・対話的で深い学びの実現に向け授業改善が進められている「探究学習」の取り組みや成果を評価する必要性を見出すこととなった。日々の学びの中で真摯に授業に取り組むことが評価される入試となっている。

これまで、調査書以外には、なかなか捉えづらかった高校での授業への取り組みがアピールポイントとして活きてくると同時に、アクティブラーニングや課外授業などを重視する千葉商科大学の学びにもつながり、さらなる教育の充実も期待される。

2つ目は、後期一般選抜において、通常の選抜方式に加えて、記述式総合問題を100点満点に換算(40点を2.5倍)する「表現力重視型」。

この方式では、問いを読み解き、自らの考えを文章にまとめて表現する力を入試に活かすことができる。通常の試験科目と同一にすることで、今まで科目得点では評価がしづらい、表現力に秀でた受験生を選抜することがねらいだ。

3つ目は、大学入学共通テストの選択科目数を従来の2科目、3科目に加えて「4科目」とした「一般選抜共通テスト型 前期4科目、後期4科目」。

4科目選択も可能となったことで、幅広い学びに力をいれてきた受験生は、その能力を絞り込むことなく、発揮することができる。特に前期4科目は、給費生選抜となっており、給費生合格となった場合は、学費が半額減免となる点が魅力的だ。国公立大学との併願校として千葉商科大学を選択する受験生のニーズに応えられると考えている。

千葉商科大学の入試は、受験生の学ぶ意欲を引き出し、その能力を最大限に評価しうる入試方式へと常に改革し続けることを意識している。一方で、入試改革はあくまで、手段であり、目的ではない。実社会において課題を解決し未来を切り拓いていく人材を輩出していくため、実学教育への志はぶれることはない。千葉商科大学入試広報部入試課の須田悠課長は、「新入試の導入に際し、学習指導要領の改訂は、あくまできっかけです。本学が理念とする実学教育および入学者としての求める学生像に変わりはありません。」と話した。

国も今回の学習指導要領の改訂において「社会に開かれた教育課程」という理念を掲げ、変化の激しい時代を生き抜くための「生きる力」を学校教育を通じて育み、社会と共有・連携しながら実現させることとし、座学だけではない実社会で通用する知識や能力の育成に力を入れる。

千葉商科大学が進める入試改革は、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜を通じて学力の3要素を確実に育成・評価する三者の一体的な改革が重要とされている高大接続改革にもマッチするかたちと言えよう。

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