【WBC】侍ジャパンが総力戦を制し3度目の世界一 2ホーマー&7投手の継投でアメリカを寄り切る

3度目の世界一を達成した侍ジャパン @Getty Images

WBC決勝【アメリカ2-3日本】@ローンデポ・パーク

2009年第2回大会以来3度目の優勝を目指す侍ジャパン日本代表は、連覇を狙うアメリカ代表と決勝戦で激突。1点ビハインドで迎えた2回裏に村上宗隆のホームランで同点とすると、ラーズ・ヌートバーの内野ゴロ間の得点で勝ち越しに成功。4回裏には岡本和真のソロホームランでリードを広げると、先発の今永昇太から戸郷翔征、高橋宏斗、伊藤大海、大勢、ダルビッシュ有、大谷翔平と7投手の継投でアメリカ打線をソロホームラン2本のみに抑え、3対2でアメリカを下し頂点に立った。

前日の準決勝をサヨナラで制し勢いに乗る日本代表の前に立ちはだかったのは、スタメン全選手がオールスター出場経験を持つという強力打線と、各チームのセットアッパーやクローザーが揃う強力なブルペンを誇るアメリカ代表。試合前には大谷翔平が「今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えましょう」とチームを鼓舞し迎えた大一番は、日本代表今永、アメリカ代表メリル・ケリーの両先発でスタートした。

トレイ・ターナーが大会タイ記録となる第5号ソロを放ちアメリカが先制 @Getty Images

試合が動いたのは2回表、好調のトレイ・ターナーがレフトスタンドへ大会タイ記録の第5号ソロホームランを放ち、アメリカが先制に成功。なおもアメリカは2本のヒットで二死1・2塁のチャンスを作ったが、今永が1番のムーキー・ベッツをレフトフライに打ち取りこれ以上の失点は許さなかった。

今大会第1号同点弾を放った村上宗隆 @Getty Images

すると直後の2回裏、日本打線が反撃を見せる。前日の準決勝で劇的なサヨナラ打を放った先頭の村上が初球を捉えて待望の今大会第1号同点弾。ローンデポ・パークの2階席まで届いた特大の一発は打球速度約185キロを計測する今大会最速のホームランとなった。さらに日本代表は2本のヒットと四球で満塁のチャンスを作ると、ラーズ・ヌートバーのファーストゴロの間に3塁ランナーが生還し、2対1と一気に逆転に成功した。

貴重な追加点となるソロホームランを放った岡本和真 @Getty Images

総力戦モードの日本は3回から早めの継投へ。2番手の戸郷は3回表二死1・2塁のピンチで絶好調のターナーを三振に切って取ると、2イニングを無失点。すると4回裏には岡本和真が左中間スタンドに飛び込むソロホームランを放ち同僚の好投に応える。5回表には3番手の高橋宏斗が二死1・2塁のピンチを迎えるもカイル・シュワーバーをセンターフライに打ち取ると、6回表は4番手の伊藤が三者凡退の完璧なピッチング。7回表は5番手の大勢が無死1・2塁のピンチを迎えたが、マイク・トラウトをライトフライに打ち取ると、続くポール・ゴールドシュミットから併殺を奪い最大のピンチを切り抜けた。

カイル・シュワーバーのソロ弾で1点差に詰め寄るアメリカ @Getty Images

しかしアメリカもこのままでは終わらない。8回表、逃げ切り態勢でダルビッシュを投入した日本だったが、一死からカイル・シュワーバーが粘って10球目をライトスタンドへ特大のソロホームラン。1点差に迫ったアメリカはなおも続くターナーがヒットで出塁したが、ダルビッシュも後続をショートフライとセンターフライで打ち取り同点は許さず。第2回大会では胴上げ投手も経験したベテランが意地を見せた。

クローザー・大谷翔平が最後の打者マイク・トラウトを三振に仕留め侍ジャパンが3度目の世界一へ @Getty Images

リードを守りきり9回表を迎えた日本は、クローザーに満を持して大谷を投入。先頭のジェフ・マクニールに四球で出塁を許すも、続くムーキー・ベッツを併殺に打ち取ると、最後はチームメイトのマイク・トラウトを三振に打ち取りガッツポーズ。激闘を制し日本代表がついに頂点に立った。

スモールベースボールを掲げて過去2度の優勝を成し遂げた日本代表だったが、今大会ではパワーも存分に発揮。アメリカに次ぐ大会2位の9ホームランを放ち、7試合で今大会トップの総得点56は、8試合で得点60を記録した2006年の日本に次ぐ歴代2位。投手も150キロを超えるストレートを誇る投手が多く、大会83奪三振は2009年大会の日本が記録した75を大きく超える歴代1位の数字。屈指の選手が揃い、代表史上最強とも言われたメンバーが投打に遺憾なく実力を発揮し、スター軍団をも寄り切って栄冠を勝ち取った。

なお、大会MVPは大谷翔平が獲得。打っては23打数10安打で打率.435、本塁打1、打点8、OPS.1.345を記録し、投げても3登板2先発で2勝0敗1セーブ、防御率1.86で3位タイの11奪三振をマークと圧巻のパフォーマンス。自身の看板に当てる特大弾や準決勝でのサヨナラを呼び込む二塁打、さらに決勝では胴上げ投手と記憶にも残る文句なしの活躍だった。

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