茨城・筑西の魅力をかるたに 市民団体制作 中学生が絵札描く

完成した「筑西ふるさとカルタ」を披露する小石川功塾長(左端)ら=筑西市役所

待ち望む 梨の花咲く 白じゅうたん-。茨城県筑西市の自然や歴史、食べ物などを題材とした郷土かるたが完成した。市民団体「下館筑西報徳壹圓(いちえん)塾」(小石川功塾長)が2年がかりで作り上げた。地元の中学生が描いた絵札のほか、かるたに登場する場所を示した観光用の地図も付く。市内の小中学校などに配布し、郷土学習の教材として活用してもらう考えだ。

完成したかるたは「筑西ふるさとカルタ-地図を片手に観光めぐり-」。縦9.8センチ、横7.3センチの読み札と絵札46組がそろう。

同団体は江戸時代後期の農政家、二宮尊徳を顕彰する活動などに取り組む。2019年に尊徳に関するかるたを制作したが、市の魅力を伝える郷土かるたがないとして、21年4月に新たにかるた作りを始めた。

読み札は、同団体の50~80代の全塾生30人が詠んだ280首から絞り込んだ。市や市校長会、下館商工会議所などの代表者ら14人でつくる制定委員会が監修し、解説文も手がけた。

絵札は、市内7中学校の美術部に依頼した36枚と小石川塾長のスケッチ画による10枚で構成する。地図は市観光協会の協力で制作し、表面に下館地区、裏面に市内全域を掲載し、かるたに登場する場所を赤い点で示した。

札の題材は、市内を流れる五行川や地元名産のナシやこだまスイカといった自然や食べ物などに加え、同市出身の陶芸家、板谷波山や洋画家の森田茂ら郷土の偉人を取り上げた。「あ」の札は「秋晴れに 響きわたるよ 汽車の音」。筑西市と栃木県茂木町をつなぐ真岡鉄道真岡線のSLが蒸気を噴き上げる姿を下館北中の生徒が描いた。

500部を制作し、200部を市内の小中学校や図書館、公民館に配る。同団体は16日、市役所に須藤茂市長を表敬訪問し、かるたの完成を報告した。小石川塾長は「子どもも大人も全市民が楽しく集えて、ふるさとを愛するかるたが完成した」と説明。須藤市長は「喜んで使わせていただく。子どもたちの絵もうまい」と喜んだ。

かるたは21日から道の駅「グランテラス筑西」や書店で販売する予定。問い合わせは小石川塾長(電)090(8012)0570。

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