野田さんに紺綬褒章 田辺市に計1億円寄付

真砂充敏市長(左)から紺綬褒章の伝達を受けた野田忠さん=和歌山県の田辺市長室で

 農業振興や農業教育に役立ててほしいと、和歌山県田辺市に計1億円を寄付した株式会社「プラス」(本社・田辺市)名誉会長の野田忠さん(87)とその家族が、紺綬褒章を受章した。17日、市長室で伝達式があった。

 紺綬褒章は、公益のために私財を寄付した人に授与される。

 プラスは農産物直売店「産直市場よってって」を県内外で運営。野田さんとその家族は2021年12月、市に5千万円ずつを寄付した。

 市も別途1億円を積み立て、「農業みらい基金」を創設。新年度から、全小中学校での農業教育など、基金を活用した新しい事業を始める予定にしている。

 伝達式では、真砂充敏市長が「多額の寄付を頂き、心から感謝申し上げる。お二人の思いを具現化できるように取り組んでいきたい」とあいさつ。褒状や飾版を手渡した。

 野田さんは「子どもたちに食の大切さや地域の農作物についての関心を高めてほしい。日本の食料自給率は低迷し、耕作放棄地の増加や農家の後継者不足といった課題がある。少しでも農業の役に立てれば」と話した。

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