アサヒ物産 矢掛に新工場建設へ 町と立地協定 25年6月操業予定

協定書に署名する(左から)大西社長と山岡町長

 食品製造卸のアサヒ物産(兵庫県加古川市)は、岡山県矢掛町江良に新工場を建設することを決め、同町と22日、立地協定を結んだ。主力商品「クロワッサン鯛(たい)焼き」の需要増で岡山工場(井原市木之子町)の生産が追いつかず、増産体制を整える。2024年3月に着工し、25年6月に操業を始める予定。

 計画では、国道486号沿いの工業用地9900平方メートルを、矢掛町土地開発公社から取得。鉄骨2階延べ2640平方メートルを整備する。投資額は非公表だが、土地購入費は2億850万円。人数は未定だが、地元での新規採用を行う。

 同社は1988年、自動販売機の管理事業で創業した。2019年から、事業譲渡でクロワッサン鯛焼きの生産に着手し、製造工程などを刷新。賞味期限を28日間に延ばしたところ、コンビニでの販売が急拡大したという。岡山工場の生産能力は1日約3万個。新工場は同6万個で食品衛生の国際基準・HACCP(ハサップ)の認証取得も目指し、海外展開も視野に入れるという。

 調印式が同町役場であり、大西能久社長と山岡敦町長が協定書に署名した。大西社長は「より質の高い商品を作り、地域に愛される工場にしたい」と話した。

 アサヒ物産の設立は96年。資本金2800万円、売上高35億5900万円(2022年3月期)、従業員約120人。

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