厳重な保管が求められている医療用の麻薬を持ち出したとして、神奈川県警薬物銃器対策課と中原署、関東信越厚生局麻薬取締部横浜分室は22日、麻薬取締法違反(所持)の疑いで、川崎市中原区のクリニック院長で医師の女(51)=川崎市中原区=を逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は、昨年12月3日午後4時20分ごろ、勤務するクリニックから麻薬に指定されているペチジンを含有する液体6.6ミリリットルをバックに入れて所持した、としている。ペチジンの摘発は県内で初めて。ペチジンには鎮痛や鎮静効果だけではなく、運用によって薬物依存を生じる危険性がある。
ペチジンなど医療用の麻薬は、院内で厳重に保管し、帳簿残高や在庫数を厳格に照合することが義務づけられている。県警は、女の自宅やクリニック内を家宅捜索した結果、複数回にわたって私的に持ち出したとみて捜査を進めている。
県警などに「業務外で持ち出している」との情報提供があり発覚した。