千々石に「らたん」オープン 『子ども第三の居場所』 放課後を過ごす拠点

「らたん」開所式でテープカットする関係者=雲仙市千々石町

 一般社団法人ひとり親家庭福祉会ながさき(福地照子理事長)は21日、生活困窮世帯などの子どもたちが放課後を過ごす拠点施設「メットライフ財団支援 らたん」を雲仙市千々石町に開所した。4月に供用開始する。日本財団とメットライフ財団の助成事業採択を受けた「子ども第三の居場所」で、県内では大村、長崎市内に続き3カ所目。国内では150カ所目。
 同法人が、フードバンク事業などでつながりのある雲仙市に設置を持ちかけ、市が旧市立下峰児童館を提供。同法人が2階建ての1階部分約280平方メートルを改修し、遊びや勉強、調理、食事のスペース、風呂、トイレなどを設けた。
 「らたん」は植物の籐(とう)の意味。「子どもたちが籐のように強くしなやかに、いろんな環境に順応できるように支援していく」(同法人)という思いを込めた。平日午後2時から同7時、小学校低学年を中心に15~20人を受け入れる。子どもたちは同市の乗り合い送迎サービス「チョイソコうんぜん」などを利用して来所。スタッフに勉強を教わったり遊んだり、生け花などの体験活動をしたりして過ごし、夕食を取る。入浴もできる。帰りは保護者に迎えに来てもらう。利用は登録制。料金は所得に応じ無料から5千円(月額)まで。食材や学用品の提供、保護者の就労や資格取得の支援もする。
 同日、開所式があり同法人や同市、両財団、地元自治会の関係者ら約40人が出席した。同法人の山本倫子事務局長が事業を説明。「雲仙の子どもの笑顔のために頑張りたい」と話した。
 同法人は3年間、施設を運営。その後は市が引き継ぐ。

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