大谷vsトラウトが「WBC史上最高の瞬間」に! MLB公式サイトが選出

WBC史上最高の瞬間となったエンゼルスの同僚対決 @Getty Images

第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は日本時間3月22日に侍ジャパンの14年ぶり3度目の優勝で幕を閉じたが、侍ジャパンとアメリカ代表が対戦した決勝は、大谷翔平とマイク・トラウトというエンゼルスの同僚同士の対戦で大谷が空振り三振を奪うというエンディングになった。試合後、MLB公式サイトは「WBC史上最高の瞬間トップ10」のランキングを更新。2017年にアダム・ジョーンズ(アメリカ)がマニー・マチャド(ドミニカ共和国)の本塁打性の大飛球を好捕した超ファインプレーを上回り、大谷vsトラウトが「WBC史上最高の瞬間」に選ばれた。

ランキングを担当したヘンリー・パラテッラ記者は「2023年のWBC開幕前から誰もが期待していた夢の対決が、大会の最大のヤマ場で実現した。それは、まるで映画のような光景だった。大谷翔平vsマイク・トラウト。おそらく世界最高の2人の選手が、金メダルがかかった9回ツーアウトの場面で、初めて対戦したのだ。MLBではエンゼルスのチームメイトだが、WBCでは侍ジャパンとアメリカ代表として、それぞれ別のチームにいた。2対3とアメリカ1点を追う最終回、トラウトは日本のクローザーとして登板していた大谷と対戦。大谷は100マイルの速球でトラウトから2つの空振りを奪ったが、トラウトはフルカウントに持ち込んだ。そして、大谷は美しく曲がるスライダーを繰り出し、トラウトは空振り三振。大会は終了し、日本が3度目の優勝を果たすことになった」と記している。

侍ジャパンの岡本和真は、この場面について「漫画みたいだと思った」とコメント。アメリカのマーク・デローサ監督は「もし脚本を書けるとしたら、トラウトが大谷からホームランを打つことを望んでいたよ。でも、これが野球なんだ。世界中が大谷の大活躍を目撃した。これはある種の台本みたいなものだ。違う展開になればよかったんだけれどね」と語った。大谷が勝者、トラウトが敗者となったわけだが、世界中の野球ファンが見たかったものを提供できたという点では、メキシコ代表のベンジー・ギル監督の言葉を借りれば「野球界の勝利」と言えるだろう。侍ジャパンのラーズ・ヌートバーは「再び野球が勝利したのだと思う」と話している。

なお、すでに両者とも2026年の次回大会への出場に意欲を示しており、トラウトは「彼はラウンド1に勝っただけ」と次回対戦でのリベンジを誓った。

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