3Dプリント技術を採用したロケット「テラン1」 初打ち上げ実施 軌道到達ならず

【▲ レラティビティ・スペースの3Dプリントロケット「テラン1」(Credit: Relativity Space)】

アメリカの民間宇宙企業レラティビティ・スペースは2023年3月23日(日本時間)、同社が開発した「テラン1」ロケットの初打ち上げを実施しました。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

■打ち上げ情報:テラン1(Good Luck, Have Fun)

ロケット:テラン1(Terran 1)
打ち上げ日時:日本時間2023年3月23日12時25分【失敗】
発射場:ケープカナベラル宇宙軍基地(アメリカ)
ペイロード:なし ※人工衛星の代わりに3Dプリントされた金属のリングを搭載。

テラン1は最大重量1250kgの人工衛星を高度185kmの地球低軌道へ投入可能な小型ロケットです。レラティビティ・スペースによると、テラン1の製造には金属部品を出力できる3Dプリンターが使用されていて、機体を構成する部品の数は従来のロケットと比べて100分の1に減っているといいます。金属3Dプリンターで作られた部品はロケット重量の85%を占めており、エンジンの主要部分も含まれているということです。

発射台を離れたテラン1はMax-Q(打ち上げ時に大気圏内での負荷が最大になる点)の通過、第1段エンジン燃焼停止、第1段と第2段の分離には成功したものの、第2段で異常が発生したため地球周回軌道には到達できませんでした。

なお、テラン1の初打ち上げとなった今回のミッション「Good Luck, Have Fun」はロケットの性能を確認するための試験飛行であり、人工衛星の代わりに3Dプリンターで作られた金属製のリングが搭載されていました。

【▲ 人工衛星の代わりに搭載された「3Dプリントの金属リング」(Credit: Relativity Space)】

■打ち上げ関連画像・映像

■打ち上げ関連リンク

Source

  • Image Credit: Relativity Space
  • Relativity Space \- Rocket
  • Relativity Space - press kit
  • SPACENEWS \- Relativity launches first Terran 1

文/sorae編集部 速報班

© 株式会社sorae