山方淡水魚館の月内閉館正式決定 24日から入館無料 茨城・常陸大宮市

3月いっぱいで閉館する山方淡水魚館=常陸大宮市山方

茨城県常陸大宮市山方の「山方淡水魚館」が今月いっぱいで閉館することが23日、正式に決まった。同日の市議会で、指定管理者の市振興財団との契約期間を、3月末に短縮する議案が賛成多数で可決された。37年の歴史に幕を閉じるのに当たり、同館は感謝の意味を込めて24~31日まで入館料を無料にする。

同館は、合併前の旧山方町が1986年、「山方自然生態観察施設」として久慈川の清流公園脇にオープン。渓流水槽に約50種400匹の魚類や両生類を飼育し、国の特別天然記念物のオオサンショウウオや、北海道が生息地のイトウ、身近なアユやコイ、カジカのほか、イワガニやエビ類を間近に観察できた。入館料が大人150円、小中学生70円と手頃で、施設の規模から「日本一小さな水族館」として親しまれた。

ただ、近年は来館者数が伸びなかったほか、台風19号の被害やコロナ禍での休館が来館者減に追い打ちをかけた。採算性や費用対効果の面からも公共施設を削減する市計画の対象となっていた。

今後、飼育する生物は栃木県や茨城県内の専門施設に移され、水槽などを順次撤去する。

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