東日本大震災から12年、災害に備え各地で防災イベント開催、今やっておくべき災害対策とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。3月16日(木)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、“今やっておくべき災害対策”を紹介しました。

◆震災の風化を防ぐべく、各地でさまざまなイベント開催

東日本大震災から12年となった今、時間の経過とともにその記憶や被災地への関心が薄れ、"震災の風化”が懸念されています。そんななか、3月11日前後には各地でさまざまな防災イベントが行われました。

そのひとつが、「東日本大震災風化防止イベント~さらなる復興に向けて2023~」。そこでは東京都の小池知事と東北4県の知事による震災後の今を伝えるメッセージ動画が紹介され、被災地支援の継続を呼びかけるパネルが展示されました。

また、震災の風化とともに忘れてはいけないのが、"災害への備え”です。

そこで足立区では災害を疑似体験することで防災を考えるイベント「あだち防災フェア2023」が開かれました。会場内では震度6強の地震をVRゴーグルで疑似体験。

参加者は「地震ってこんなに激しかったんだと思った。子どもが地震の経験がないので、1人で居たときに安全に避難できるように教育しないと」と気を引き締め、VRを体験した当番組のスタッフも「恐ろしいですね。怖かったです」と感想を口にします。

また、震度7までの揺れを再現する地震体験車も稼働。乗車した方は「思っていたより揺れが強く、怖かった。実際にこんな地震がいきなりきたら対処とれるかどうか…」と不安そうな顔を浮かべ、さらに子どもからも「防災訓練はしているけど、できるかなってちょっと心配」との意見がありました。

◆職場で大地震が起きたら無理に帰宅してはいけない!?

ビジネス街・大手町で行われていたのは、職場で被災した際の行動を学ぶためのイベント「首都直下型地震72時間サバイバル」。ここでは、オフィスで被災した際の疑似体験が行えます。

災害が発生した直後には、交通機関の乱れや渋滞が発生します。そんななか、無理に帰宅しようとすると混乱が生じるため、72時間は会社などにとどまることが推奨されています。

このイベントでは、各企業の担当者が水の使えないとき用の簡易トイレの使い方や寝泊まりするときに使用する寝具などを体験。会社として、どのような食事や備品を用意していくべきかを学ぶ姿がありました。

さらに、災害の体験などができる「そなエリア東京」では、災害が発生したときに過ごす"避難所”の体験ができるイベント「そなえパークの日2023」を開催。

会場内には、ダンボールで仕切られた空間やダンボールで作られたベッドが並び、被災から1~2週間後の避難所の様子を再現。

避難所暮らしが長引くとどんな困りごとが出てくるのか、実際に体験し、いざというときに備えてほしいということで、このようなイベントを開催。利用者は「自分が(ダンボールの仕切りの)高さを越えると周りに見えてしまうので、高さを注意しながら生活することになる」、「目線を隠せるもの、屋根が欲しい」、「(ここで)生活すると多分きつい」、「1週間は無理だと思う」など避難所の大変さを感じ、さまざまな気づきがあったようでした。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、「(防災食などの)食料や防災備品なども実際に体験してみないといけない」と感想を語ります。防災食は意外と高く、一度開けてしまうと保存がきかなくなるなどあるため、「会社や地域などで家庭用のものを共有し、みんなで体験してみるのも震災前にやってみなければいけないんだなと思いました」と感じ入った様子。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんによると阪神・淡路大震災以降、地元・兵庫県では小学生のときから防災教育を受け、地震体験などにも参加したことがあるそうで「やはり小さいときに体験すると(記憶として頭や体に)残っているので、(災害時に)どのように動き、どんな被害があるのか想像しやすいと思う」と話します。

しかし、企業となるとまた別で「我々のような企業規模だと災害のことまで手が伸びていない。大きな地震が起きたときに動けるかといえば正直動けないので、会社としてもそうしたところに目を向けていかないと」と反省の言葉が。

臨床心理士のみたらし加奈さんは、「リスク需要の概念図」を用いて「災害時は避難経路など物質的・物理的なことももちろん大事だが、自分のなかの認知バイアスに気づくこともすごく大事」と指摘。

そうでないとさまざまなリスク情報、例えば、避難指示などを聞いても避難につながらないこともあるそうで「災害対策を考えるときは認知バイアスについても周知、教育しないといけない」と危惧。SNS時代の今はカメラを回すだけでも認知バイアスがかかってしまうことがあるそうで、そうしたことを「日頃から教わっていくことも大事」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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