国広作の刀や脇差し25点 茨城・古河歴史博物館で特別展 「刀剣乱舞」コラボ企画も

堀川国広作の刀に見入る女性=古河歴史博物館

安土桃山時代に活躍した刀工、堀川国広の名作を集めた特別展「かえってきた堀川国広」が、古河歴史博物館(茨城県古河市中央町3丁目)で開かれている。国広作の刀や短刀、脇差しなど25点を展示。人気のオンラインゲーム「刀剣乱舞」とのコラボレーション効果もあり、開幕した18日は若い女性を中心に約300人が訪れた。5月7日まで。

国広は日向国(宮崎県)出身。慶長年間(1596~1615年)以降に作られた「新刀」と呼ばれる日本刀を手がけた一人とされる。1590年ごろ現在の栃木県足利市に滞在。足利学校で儒学を学び、足利・館林城主の長尾顕長(あきなが)の脇差しを製作した。顕長の子、宣景(のぶかげ)が古河藩家老を務めた歴史にちなみ、2014年以来2度目の特別展となった。

若者に人気のゲームでは名だたる刀剣が戦士へと姿を変え、「刀剣男士」と呼ばれるキャラクターで登場する。その一人「堀川国広」は、新選組副長の土方歳三が愛用していたとされる脇差し(現存しない)がモチーフ。土方が愛用した名刀「和泉守兼定」の相棒であり、助手も務める。礼儀正しく面倒見も良く、胸には熱い闘志を秘めているという位置付けだ。

今回は国広作では2本しか現存しない重要刀剣「長刀(なぎなた)」のほか、特別陳列として古河藩主・土井利位が愛用した刀と拵(こしらえ)を展示している。立石尚之館長は「国広作の長刀が2本そろうのは珍しく、多くの方に足を運んでいただきたい」と話している。

日立市の会社員、柴田里菜さん(20)、さいたま市の会社員、薄井亜美さん(20)、水戸市の会社員、佐々木唯さん(20)は高校の同級生で刀剣乱舞のファン。3人は「刀によって刃文や地鉄(じがね)が違い、刀派によってもさまざま。作られた時代によって返りも違い、きれいでかっこよく、ずっと見ていられる」と刀に見入っていた。

同館では刀剣男士「堀川国広」の等身大パネルを設置し、コラボグッズの販売、スタンプラリー、記念講演会なども企画している。問い合わせは同館(電)0280(22)5211。

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