懐かしのよもぎ餅復活 七川ダム湖畔、古座川

よもぎ餅を限定復活させる下村静夫さん(中央)と七川ふるさとづくり協議会のメンバー=和歌山県古座川町佐田で

 和歌山県古座川町で七川地域の活性化に取り組んでいる「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)が、七川ダム湖畔の桜シーズンに合わせ、地域でおいしいと評判だった下村静夫さん(86)=古座川町佐田=の手作りよもぎ餅を復活させる。今年の花見を盛り上げたいと、協議会で活動している地域おこし協力隊が下村さんに提案。25、26日と4月1、2日、協議会が同町佐田に設けている地域交流拠点「夏目商店・カフェ」で限定販売する予定。

 長年、パンや菓子の職人をしていた下村さんは、70歳の頃からよもぎ餅を製造販売。花見のシーズンには行列もできるほどの人気商品だったが、80歳の頃に体調を崩したために製造をやめたという。

 その後、下村さんは協議会の活動に参加。健康も回復し、拠点2階の改装を手伝ったり、桜の苗木を植樹したりと精力的に活動しており、地域おこし協力隊の谷井麻美さん(36)が「よもぎ餅を一緒にやりましょう」と、下村さんに懐かしの味の復活を提案した。

 本番に向けて試験販売もしており、早速購入した同町西川の田口ふさ子さん(82)は「久しぶりに食べたが、やわらかくて本当においしい」と笑顔。小学生の頃に食べたことがあるという孫の井口彩子さん(18)=上富田町岡=も「桜まつりの時に並んで買った。スーパーに売っているのとは全然違う」と舌鼓を打っていた。

 下村さんは「この仕事はスピードが大切で、昔と比べて指先が鈍くなっているが、どうにか餅になった。『あのおいしい餅か』と言ってくれた方もいて最高にうれしかった。頑張って作りたい」と意気込んでいる。「佐田のよもぎ餅」は5個入り600円で、販売は午前10時から。

 下村さんのよもぎ餅に触発され、同町西川の女性たちもヨモギなどを使った「西川の鍋餅」を販売予定。夏目商店・カフェでは、フリーマーケットと写真展も4月末まで開催している。

 協議会によると24日現在、七川ダム湖畔のソメイヨシノは二~七分咲きほど。

 夏目商店・カフェの営業時間は午前9時~午後4時。問い合わせは同協議会(0735.70.0686)へ。

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