「高齢者が住み慣れた土地で生きていくお手伝いを」グリーンベルト畝岡社長 / 岡山県津山市

「高齢者が住み慣れた土地で生きていくお手伝いがしたい」
そう話すのは、 解体業・グリーンベルト (本社・岡山県津山市二宮) の畝岡昭一社長(74)。 同社は高齢者の生活支援のための 「便利屋」 事業を展開している。 「市民の手となり足となり町の便利屋として取り組んでいきたい」。 高齢者の生きがい対策として 「養鶏」 事業も準備を進めている。
畝岡さんは1990年代後半ごろから、 美作地域の郡部に解体の仕事で行くたびに、 過疎化の現実を目の当たりにするようになる。 住民の高齢化が進み、 都会に出て行った若者たちは帰ってこない。 「村が消えていく」 ―。 そんな錯覚を覚えるようになったという。
「多くの地域が限界を迎えている。80~90歳で1人暮らしをしている方は多い。 生活のささいなことで困っている人たちをたくさん目にしてきた。 何かお役に立ちたいという思いがあった」
同社は解体業をはじめ、 土木工事、 農作業、 高所作業、 庭木手入れ、 中古建機販売、 リサイクル材販売など多彩な事業を展開しており、 社員はさまざまな技術を持つ職人集団。 便利屋事業では電球の取り換えから草刈りや墓地の清掃など、 基本的に生活の中での困りごとはどんなことでも格安で引き受ける。
また同社は、 二宮の約30㌃の休耕田で、 約200羽のニワトリを平飼いしている。 イチジクを植え、 天敵であるカミキリムシの幼虫をニワトリに食べさせる。 鶏糞 (ふん) は肥料となり、 環境に優しい循環型の養鶏の仕組みをつくった。
「卵かけごはんにすると違いは歴然。 60年前はどの家庭でもニワトリを飼っていた。 イチジクの養鶏を高齢者の生きがい対策としてモデル化したい」 と意気込む。
「戦前、 戦中、 戦後を生き抜き、 日本の復興を支えた方々にもっと敬意を払うべき。 お年寄りともっと関わり、 支え合う仕組みをつくりたい」
1カ月に一度、 同社の 「便利屋」 事業を支える職人たちとともに生活支援のサービスを紹介する。

高齢者の生活支援サービスについて熱弁を振るう畝岡社長

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