岸田総理“必勝しゃもじ”贈呈で物議 地元・広島では…

岸田総理がウクライナを訪問した際、ゼレンスキー大統領に「必勝」と書かれた「しゃもじ」を贈ったことで波紋が広がっています。

縁起物として知られるしゃもじ。宮島のお土産の代表格となっていて人気を集めています。しかし、このしゃもじが物議をかもしています。

21日、ウクライナを電撃訪問した岸田総理。ウクライナではゼレンスキー大統領と会談して様々な場面で協力していくことを確認しました。

その際「必勝と書かれたしゃもじ」を贈ったというのです。宮島では・・・

男性「必勝は確かにどうかな。必勝の意味がどのように伝わるのかが気になります」

男性「戦争に勝つためにあげたのではないと思う。成功を祈願してあげたのだと思う」

女性「必勝しゃもじはお土産としてはいい。はたして戦地に持っていくのはどうかなと思う。自分は買いました」

これについて24日の国会では…

立憲・石垣参院議員「日本がやるべきはやはり平和をいかに和平を行うかであって、必勝というのはあまりにも不適切ではないかと思うんですが」

岸田総理大臣「ウクライナの方々は祖国や自由を守るために戦っておられます。こうした努力に対してわれわれは敬意を表したいと思いますし、わが国としてウクライナ支援をしっかり行っていきたいと考えております」

岸田総理は「外交の慣例として地元名産のお土産を持参するのはよくやる」と説明しました。岸田総理は外務大臣時代の2015年に広島の「しゃもじ」を当時の韓国の尹外相にプレゼントしています。

被爆者は・・・

県被団協 箕牧智之理事長「戦場のウクライナに持参をされるというのは、いかにも滑稽に見えて、宮島で作られた人の気持ちは戦争で使うとは思ってなかったと思う」

県被団協 佐久間邦彦理事長「必勝ということは勝ちなさい、勝ってほしいという意味ですからそれは違うと思う。非常に残念だ」

岸田総理はしゃもじに加え、宮島の砂を練りこんだ折り鶴のランプも贈ったということです。

松野官房長官は平和を祈念する思いを伝えるための贈りものだと話しています。

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