三浦市勤労市民センター廃止方針 利用団体困惑「活動の場なくなる」 市に撤回申し入れ

市勤労市民センターで隔年開催され、17回を数えるパッチワークキルト愛好者の作品展=2022年11月、三浦市

 三浦市が明らかにした市勤労市民センター(同市天神町)の廃止方針が、利用者に波紋を広げている。三崎地区の公民館的な役割を果たしており、他の施設では利用が制約されるケースも。利用団体の一部は廃止の撤回を求める申し入れ書を市に提出した。

 「勤労市民センターがなくなると活動できなくなる」。三崎地区の市民サークル「歌声サロンしゃぼん玉」の小林寿美代表(74)は窮状を訴える。

 同団体は70~80代の女性を中心に、約30人がメンバー。月1回、センター2階の大会議室で認知症予防体操と一緒に昔懐かしい愛唱歌の合唱を行う。「みんな楽しみにしていて、高齢者の生きがいづくりにつながっている」(小林代表)

 それだけに、廃止方針の報道はショックだった。市は「廃止後は市民交流センターなどを利用してもらう」と説明しているが、同センターでは音を伴う活動はできない。南下浦市民センターは建て替えで取り壊され、初声市民センターは遠い上に交通の便が悪い。「このままでは、活動の場がなくなってしまう」と危機感を強めている。

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