新米パパの2週間(中)理想と現実 「とるだけ」回避へ目標

ミルクやおむつ交換の時間を記録し、妻と共有したアプリの画面

 報道部記者の私(33)が産後パパ育休に入る少し前、人事部の先輩女性からメールが届いた。「余計なお世話の気もするけど」と添付されていたのは、男性の「とるだけ育休」に関する記事だった。

 とるだけ? 初耳ワードだ。読むと男性が育休中にもかかわらず家事や育児に積極的でない問題を指摘する言葉らしい。3人に1人は家事や育児の時間が1日2時間以下という調査も紹介されていた。

 そんな不名誉は絶対に避けたい。夫婦関係に亀裂が入る。そこで二つの目標を立てた。

 一つは当然、育児スキルを習得すること。1人で面倒を見られれば、今後妻が体調を崩したり急用ができたりしても柔軟に対応できる。もう一つは妻の息抜き。買い物やカフェ巡りが好きなのに産後は外出しておらず、ストレスがたまっているだろう。羽を伸ばしてほしい。

 結果、2週間の育休中は集中して育児と向き合え、慣れない世話も回数をこなして覚えられた。ミルクの時間と量は専用アプリで妻と共有した。妻も何日かは久々の外食や買い物を楽しめたようだ。

 もちろん離乳食などが始まれば別の苦労があろうが、今後も主体的に育児に取り組める自信を持てた。復帰した今、早く仕事を終えて帰らなければと思う。産後パパ育休とは別にある通常の育休も取りたいのがホンネだ。

 「育休中の俺、どうだった?」。妻に聞くと「家事と育児の大半をしてくれて助かったし、夫婦で育児を楽しめてうれしかった」と一定の評価。少し鼻を高くした私に「でも完全なワンオペのキツさは体験できてないよね」とチクリ。あまり調子に乗るなということか。

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