バレエダンサー目指し 海外留学へ YGP日本予選ファイナリスト選出・桑野さん

バレエダンサーを目指して4月に海外留学へ出発する桑野さん=長崎市茂里町、長崎ブリックホール

 長崎市の「みのりバレエスタジオ」で学ぶ桑野蒼空(くわのそら)さん(18)は今春高校を卒業し、バレエダンサーとして本格的な一歩を踏み出す。昨年秋に大きなコンクールで結果を出し、海外留学の切符を得た。「お客さんを楽しませる踊りができるダンサーになりたい」。高みを目指し心身を鍛えている。
 バレエを始めたのは2歳の時。未熟児で生まれ、医師から体のためにと有酸素運動を勧められたのがきっかけ。小学3年で初めて挑んだコンクールで予選落ちしたことで奮起し、中高生のレッスンにも参加するなどして、週6回の練習に励んできた。
 「うまい人の踊りを動画で見て自分もこうなりたいという気持ちが強かった。男性の踊りのアピールポイントは回転とジャンプ。1回転多く回れたり、高く飛べるようになったりすると、自分の技術が上がっているのを感じられて楽しい」
 2018年のNAMUEバレエコンクール福岡中学生部門で第1位など、数々のコンクールで上位入賞し、実力は九州トップクラス。昨年10月には世界的な「ローザンヌ国際バレエコンクール」や「ユース・グランプリ(YGP)」の日本予選でファイナリストに選出された。「ものすごくレベルの高い中でいい緊張感があった。周りに負けないように頑張ろうという気持ちがより高まった」と振り返る。
 YGPをきっかけにオランダのバレエ学校「ヨーロピアン・スクール・オブ・バレエ」の冬季講習に招かれ、12月に2週間参加。バレエ漬けのハードな日々で、最初は筋肉痛になったり言葉の壁を感じたりしたが、3日もすれば慣れて楽しかったという。
 世界中から選ばれたダンサーが集まるバレエの本場で、踊りがダイナミックで心が情熱的と褒められ自信にもなった。長年指導してきた同スタジオの荒金みのり代表は「見た目からレッスンへの姿勢、全てが別人のように変わって帰ってきた」と教え子の急成長ぶりに目を見張った。
 桑野さんはこの講習により、同バレエ学校でさらに1年間留学するチャンスを獲得。4月から再びオランダに渡る。
 さらに出発前には、同スタジオの15周年発表会に出演する予定。「眠れる森の美女」の王子を演じ、女性とペアで踊る高難度の「パ・ド・ドゥ」に挑戦する。「舞台でスポットライトに当たるのは日常にはないことで、緊張もするけど特別で楽しい。この2年間の自分の成長を見せたい」と意気込む。
 発表会は4月16日午後0時半から、長崎市茂里町の長崎ブリックホールで。入場無料。問い合わせはみのりバレエスタジオ(電095.826.5013、minoriballetstudio@gmail.com)。


© 株式会社長崎新聞社